(2019/03 版) FreeStyleリブレ 一応のまとめ(暫定稿)

.Lowcarboあるいは糖質制限 FreeStyleリブレ SMBG

昨年来FreeStyleリブレの普及が進み、TVやネットでも取り上げられることも多くなり、連続的に血糖値を測ることの利便性に対する認識が高まっています。一方、2017年3月から使ってきた私は昨年末で一応オシマイにしました。理由はまず、自身の血糖値プロフィールがほぼ分かったこと。次にFreeStyleリブレの精度にまだまだ問題があり、較正などを考えると日常的に使うには面倒だ等と考えたから。

昨年1月に『(2018/01 版) FreeStyleリブレで分かったこと』という記事を書いていたので、内容は繰り返しになりますがアップデートして一応のまとめとしておきます。(この稿、専門筋から意見を聞いて一部書き直すかも)

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既に昨年記したように、FreeStyleリブレは採血なしで連続的に血糖値が測れるので、夜間や食事中などSMBG(自己血糖測定)ではよくわからない、あるいは不明だった血糖値の変動が掴めます。これが一番大きな利点。たとえば食中食後の血糖値がわかるので食事内容との関連が把握でき、日々の食事の見直しや改善に繋がるのが有り難い。

また、血糖値のピークやアップダウンの様相も一目瞭然。SMBGで計測しようとするとかなり手間ですが連続測定ならよくわかります。そのデータをパソコンなどに取り込んで解析できるのもメリットです(下記に一部書き直して再掲)。

FreeStyleリブレのプラス

・採血なしで手軽。
・連続的にモニタできるためスポット的なSMBGではわからないことがわかる。
・夜間や食事中などSMBGでは対処しにくい時間帯でも測れる。
・とくに食中食後の血糖値がわかるため、ピークやアップダウンの様子がよくわかる。
・パソコンなどでデータの整理ができ、その集積が可能。

FreeStyleリブレのマイナス

・値が不安定。とくに初日から2日程度はダメ。
・就寝時の上腕圧迫なのか、夜間は低血糖気味でデータの正確性に欠ける。
・装着場所によってデータが変わることがある。
・比較的高温のお風呂や温泉に浸かるとデータがおかしくなる(高熱異常)。
・測定原理や限界が非公開。
・較正ができない(乖離があっても対処不可)
・値段が高め(毎日使うとすると年間20万円程度)

でも、良い所ばかりではありません。FreeStyleリブレが示す数値は指先採血値と大きくかけ離れることがよくあり、ひどい場合は2割3割違うので辟易します。違いがあることを承知の上でSMBGで乖離を把握すればいいだけかもしれませんが、気分的に面白くありません。

また、初日から数日は怪しいのはよく知られている通り(アボット社のデータからも窺えます)。データの不正確さにより、インスリンや薬剤で血糖値をコントロールする人には低血糖への対処が難しくなるため、とっても危険です。

そんなFreeStyleリブレですが、私にとっては連続的に血糖値をモニタリングできるのが面白く、特定の食材中の糖質(炭水化物マイナス食物繊維)を摂ると血糖値がどう騰がっていくか、馴染みのレストランの食事ではどうか等々、それまでSMBGでは曖昧だった知見が得られたのが大きな収穫でした(これまた下記に一部追加書き直しで再掲)。

・糖質を摂ると血糖値は間違いなく上がる。
・血糖値の騰がり方は人それぞれ。
・血糖値は食事とは関係なく日中変動あり。
・ストレスでも血糖値は変動する。
・血糖値は食事時間やアルコール効果等に影響を受ける。
・血糖値の上昇は単位消化時間当りの糖質量が問題

私の場合(境界型、糖尿病薬剤は使用せず)、血糖値は深夜3時4時くらいに80~90くらいで最も低く、起床するとスルスル上昇。朝食を食べなくても100~110位に騰がります。夏の発汗時期なら120を超えることもあります。逆に夕方から夜にかけては血糖値は次第にドロップしていきます。日によっても違います。このことはSMBGでもだいたいわかっていたのですが、アップダウンのグラフで一目瞭然となりました。

こういった血糖値の日内変動は大なり小なり誰にもあり。でも、私のようにホルモン(脳腸ペプチド)調節がうまく機能していない者には血糖値を一定に保つことが難しく変動幅が大きくなってしまうのでしょう。

上記の例のように食べなくても血糖値は20~30程度アップダウンするのですから、食材の糖質量だけでは食後血糖値は予測できません。とくに朝や昼の食事には注意を要しますが、一方で夕食は糖質量を少し多めにしても朝やお昼より食後血糖値は高くならず、食事内容の改善への大きなヒントになりました。

また、昨年FreeStyleリブレで繰り返し確認したのは食事にかける時間による血糖値の上がり方の相違でした。それまでお寿司を食べても血糖値があまり上がらないとか、イタリアンやフレンチレストランでパスタやパンを食べても思ったより血糖値が上がらないことはSMBGで把握していましたが、なぜそうなるのか、もう1つ理解していませんでした(どちらもコースで2時間前後)。

FreeStyleリブレのデータを解析して見えてきたのは、問題になるのは糖質量の絶対値ではなく、消化時間当たりの糖質量。今まで時間効果と称して私が説明してきた件ですが、これもFreeStyleリブレによって明快になったところです。

さらに、ストレスで血糖値があがるのもFreeStyleリブレでよくわかりました。私の便秘例でもそうですが、熱いお風呂に入ったり、血圧が上がったり、何かトラブってメンタルに焦ったりすると20〜30位はぴゅ〜〜んとアップするのです(糖質換算で10g程度)。ストレスが収まれば元に戻りますが、充分な睡眠がとれなかった翌日や海外旅行で時差調整がうまくできない時に血糖値が異様に暴れるのはストレスが長く続くためかな、と考える次第です。

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さて、当初「自身の血糖値の変動パターン(プロフィール)を調べたいと思うなら」FreeStyleリブレのセンサーを3個程度使って見てはどうかと記していました。私の場合はなかなか止めがたく、1ダース以上使ってしまいましたが、だいたい自身の血糖値プロフィールは把握できました。

FreeStyleリブレには就寝時の上腕圧迫によるデータ異常や、40℃以上のお湯に浸かると精度が怪しくなったりする問題等々、まだまだ課題が残っています。熱いお風呂に浸かる習慣が少ない欧米の製品では後者の問題が解決されるとも思えません。また、数値精度や価格的にも大きな課題が残っています。そういったことを合わせて考慮し、昨年末で一応FreeStyleリブレ使用を終了しました。今後の予定はとりあえずありません。

血糖値のアップダウンは人それぞれ(ホルモン調節の能力が違うから)。FreeStyleリブレはそのことを教えてくれるので有益です。私の場合、食材の糖質量だけでなく日内変動の幅を考慮することで食事の幅はかなり広がってきました。FreeStyleリブレには感謝しています。