ベトナム旅行その4 Grab

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今回の旅行で一番驚き、そして感心したのが配車(運行)支援サービスのGrab。米国ではUberとかLyftが有名ですが、ベトナムではGrab。ベトナムを訪れるまでは使い勝手が良いのかどうか半信半疑でしたが、使って見ると簡単で便利なのにびっくり。日本よりもずっと先に進んでいるベトナムの車事情です。

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今年4月から日本でも一部の地域でライドシェアが解禁になったとニュースで流れていました。でも、制約が多過ぎるのが問題。世界の実情からすればお寒い限りです。というのも、日本ではタクシー業界という抵抗勢力が強く、その権益確保のために他国で実現できている利便性が薄れてしまうからではないでしょうか。

他の国ではどうか。米国ではUberとかLyftがポピュラーですが、東南アジアではGrabが最も有名です。Grabの本社はシンガポールで、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムなどでは既にタクシーよりも利用客が多くなっています。・・・・・という話は前々から聞いていたものの、実用的にはまだまだだろうなんて思っていたら、あにはからんや。

実際ベトナムでは、Grabはごくごく普通に利用されており、その利便性と有効性は驚くばかり。海外でタクシーに乗る場合、料金はいくらになるのか、ボラれないか、回り道されないか、支払時の小銭は大丈夫か、チップはどうする? 等々心配な事多しですが、Grabにはそれらが全くありません。

というのも、Grabアプリを使えば、現在の場所から目的地までの経路がマップに提示され、併せて料金も提示されます。あとは車を選ぶだけでオシマイ。料金支払い方法としてカードなどを登録しておくと、ドライバーとの金銭のやり取りは一切なし。チップも基本的にありません(払う払わないは自由で、降車後にアプリでチップどうしますか?とメッセージが来るのはご愛敬)。

ハノイ市内での利用例。車と経路と料金が明示されるので、それに納得したら注文するだけ。

料金は普通車ならいくら、Grab Plusならいくら、と明示されるので、どちらでも好きな方を選べば良い。ちなみにGrab Plusは普通車よりも上等な車ですが、その分、値段も高くなります。旅行者だから外国人だから地元の人よりも値段が高くなるということは全くありません。物価が安くタクシー料金が安い国ならGrab料金も当然安くなります。ベトナムでは2km以内の近距離で VND 30K(200円弱)前後でした。近いから乗車拒否とかイヤな顔をされるということもありません。

Grabアプリを使うのには現地語が必要ではないか、と心配される方へ。基本的には英語で大丈夫です。また、日本語を入力しても現地語に自動翻訳してくれます。ドライバーとのメッセージのやりとりは、ベトナム語と英語を相互に自動翻訳してくれて、ちょっと驚きました。

あまりにGrabが手軽で便利なため、今回の旅行では一度もタクシーを使いませんでした。例外は空港とホテルの送迎。料金はGrab並みでリーズナブルだったので前もってホテルに頼んでいたのですが、ホテル専用車による送迎だけでなくGrabに代行させているケースもあり、Grabがホテル業界にも浸透していることが窺えました。

でもGrabはベトナムでも既存のタクシー会社との軋轢があるらしく、空港の正面玄関にはタクシーだけが待機できて、Grabカーは離れた場所しか駐車できないという状況でした。街中でGrabを使う時には問題ありませんが、空港から使う時だけは要注意。どこでGrabカーに乗車するのか、その場所を確認した方が良さそうです。ちなみにGrabで空港へ行くのは問題ありません。

そんな事情があるにせよ、一度使うとヤミツキになるくらいに素晴らしいサービスでした。東南アジアへ旅行に出かけたら是非お試しあれ。びっくりするほど便利で簡単です(きっぱり)。一方で、グローバルなICTの時代に配車サービスをまともに使えない日本の現状を見ると、どんどん時代に取り残されていくこの国を憂えるばかり。