ベトナム旅行その5 ビール

.Travel & Taste vietnam

ベトナム旅行記第五弾、今回はビール。
ベトナムのビールといえば、日本では333(ベトナム語の読みはバーバーバー)が有名ですが、現地では他にもたくさんの種類があります。というか、333はサイゴンビールの1銘柄に過ぎません。印象としてベトナムローカルではビールが一番人気のようです。

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ビールはドイツやベルギーが本場。でもビールの消費量の世界ランキングをみると1位は中国、ベトナムは9位。地域別ではアジアの消費量が世界の3分の1になっています。でもこれは人口が多いゆえで、1人当たりでみるとチェコやオーストリア、ポーランドなどの欧州諸国が上位。

ベトナムに関していえば、「「2022年 世界主要国のビール消費量 キリンホールディングス)」によると前年比27%増と突出しており、ベトナムの経済成長とともにビールの消費量も伸びています。

どんなビールが飲まれているのか。こちら、ベトナムのダナンでビールを飲もうと思って、レストランで「何かご当地のビールはありませんか」と尋ねると「サッポロはどうですか?」とのこと。「えっ、サッポロは日本のビールだと思う」と返しても、いやベトナムだと抗弁。ホンマかいなと思って調べてみると、サッポロベトナムという会社が見つかりました。そうです、サッポロは2011年から現地で製造しているので、ご当地では輸入品じゃなく国産ビールというわけ。面白いなぁ。

先に触れたように、ベトナムのビール消費量はうなぎ登りですから(国別にみたらアジア第3位)、ハイネケン(ネーデルラント)、カールスバーグ(デンマーク)、アンホイザーブッシュ(米国)などに加え、日本からもサッポロ、キリン、サントリーが進出しています。その進出形態は現地企業と合弁会社にしたり、独自に会社を立ち上げたりといろいろ。どこのレストランでもハイネケンとかカールスバーグという銘柄がリストにあったので、輸入ビールばっかりかと訝しがっていたら、ホンマは世界中のメーカーがベトナムに出張ってきて現地生産していた、というわけ。


ご当地銘柄として有名なのは、まずビア・サイゴン(サイゴンビール)。次にハイネケンとの合弁のハイネケン・タイガー、そしてビア・ハノイの3つ。他にもベトナム中部で人気のフーダ(Fuda)など・・・・。旅に出るとローカルな飲食が面白いので、ホーチミンのレストランではサイゴンビール、ハノイでハノイビール、ダナンでラルー、ホイアンではフーダなどを楽しみました。それぞれ特長がありますが、個人的な感想でいえば、フーダがライト感覚、サイゴン系は味わいが深く飲み応えありという感じ。

右はダナンで一番人気なラルー(タイガー)、左はホイアンで一番人気のフーダ。

ところで、今回初めてレストランでビ−ルペアリングを経験しました。場所はハノイ旧市街にあるT.U.N.Gというレストラン。昨年末に登場したベトナムミシュランの星候補の1つですが、私にはホーチミンの星付レストランよりも食事内容もサービスもずっと良かった(後日触れます)。

そこのメニューに、ワインペアリングやノンアルコールペアリングに並んで、ビールペアリングもあり。値段はリーズナブル。お料理1皿ずつに合わせてビールが100mlほど出てくるのですが、全部クラフトビールで、ハノイ近郊のマイクロブレワリーで作られたものばかり。さっぱりした喉ごしのスターターから、柑橘の香りがする爽やかなもの、ちょっと苦味を利かせた重いタイプ等々・・・、デザートに合わせてコーヒー風味のビールが出てきたのはびっくり。料理に合わせたセレクションに唸ってしまいました。以下、数例を写真で紹介しときます。

ベトナムではワインはほとんど輸入ですが、ビールは現地生産、とくれば価格もリーズナブル。日本でもクラフトビールが盛んになれば、レストランでビールペアリングというのが流行るんでしょうか。ワインが異様に高くなってきた現在、お料理に合わせたアルコールならいうことなし、そんな自由な発想をハノイで教えてもらったような気がします。

ハノイではビア・ハノイ、こちらは百年以上の歴史を誇る国産メーカーですが、カールスバーグと戦略的提携をしています。

以上、ベトナムのビール事情はなかなかホットでした。ワインやお酒のようなものが少ないベトナムでは、経済成長に合わせて自国生産ビールの消費量がどんどん増えていくことでしょう。マイクロブルワリーなクラフトビールも既に登場していますから、これらも伸びていくはず。今後のベトナムビールに注目していきましょう。

おっと! 出てくるビールサーバーにびっくり。2リットルから注文できます。(The central GANGS @ホーチミン)