ベトナム旅行その9 まとめ
2024/07/11
ベトナム旅行、記憶を穿りながらつれづれ書きしてきました。内容が盛り沢山で書き終えるのがもったいないくらいですが、そろそろここらでオシマイにしましょう。(今回の写真と文章は必ずしも関係していません、ご勘弁)
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旅の印象を日々の篩いにかけてみると、記憶に残るモノとそうでないものがあるのは皆さんご存じの通り。何年経っても覚えているものが1つでもあれば幸甚。今回のベトナム旅行はどうだったか。結論からいえば大満足な忘れ難いものでした。
既に触れたように、今回のベトナムは過去二回予定していたのに行けなかった旅行の実現です。米国に戦勝した国のその後はどうなのか、ベトナムという国の今を肌で感じてみたい、そんなところ。やっと願い叶って行ってみると、いろいろ不明だったことがわかってきました。
ベトナムは表向き、社会主義。でも経済はかなり自由なのは中国と同じ、いや中国以上か。ここ最近の凄まじい経済成長で国内は活気に溢れ、将来に対する揺るぎない自信というか、そんなポジティブさが庶民の間に漲って(みなぎって)いるように感じました。10年前に訪れていたら、印象はきっと違ったものだったでしょう。
一方で1975年のサイゴン陥落後にこの国を出た人が多い上、いまだに共産党政権に馴染めず、今回出会ったベトナム人の中にはいずれ海外で住みたいと云った人も。彼らの批判点は独裁的な共産党支配と賄賂の横行とか。社会主義を標榜する独裁国家ロシアや中国も同じような状況だから、イデオロギーの是非だけでは庶民の暮らしは語れません。
ベトナムの歴史といえば、こちらベトナム戦争がまず頭に浮かんできますが、戦勝博物館などでは二千年前から繰り返されてきた侵略戦争の一部として紹介されているのには驚きました。いろんな侵略勢力がベトナムを狙ってきたというべきでしょうが、いったん侵略され植民地化されても最後は打ち破って自由を得てきた人々の誇りがご当地の底流に流れていることがよくわかります。そういう意味でもベトナムは逞しい。
さて旅の楽しみの一つは美味しい料理。今回はホイアンとハノイでクッキングスクールに出かけ、ベトナムの食材や調理法を学んだこともあり、ローカルな料理への親近感はいやおう増し。またハノイではコーヒースクールにも出向き、世界第2位の輸出を誇るベトナムコーヒーについての講義の後に、エッグコーヒー、ココナッツコーヒーなどのベトナム独自メニューにもトライ。コーヒー好きの私にとっては得難い経験でした。
またローカルレストランも堪能しました。人にもよるでしょうが、上海・香港よりもスパイシーで、インドやタイに比べるとさほど辛くなく、こちらの好みにぴったり。街場のお店なら値段も手頃です。ローカルな人たちでいっぱいなお店なら間違いないでしょう。
片やハイクラスにも何軒か行ってみましたが、ミシュランベトナムで星のついたホーチミンのレストランにはがっかり。日本の食材でハイソ感を演出しようとしているのですが、内容は値段にそぐわず、ワインの赤白1杯ずつをペアリングと称するのはダマシのようであまりにオソマツ。ミシュランの評価は信用ならんというサンプルをまた得た思いです。
ヒットだったのはハノイのT.U.N.G。ベトナムローカルな雰囲気をアート的に演出し、味わい・サービスも素晴らしい。ローカルのクラフトビールでペアリングというのも斬新で、値段もリーズナブルに収まりました(ベトナムでワインを頼むとどうしても値が張るのでご用心)。
街の勢い、庶民のビビッドさ、ローカルな美味しい食事等々には大満足。ベトナムの今後に対する興味は尽きません。また是非訪れたいものです。