FreeStyleリブレでわかったこと その6 落ち穂拾い

.Lowcarboあるいは糖質制限 FreeStyleリブレ SMBG

FreeStyleリブレを使って2週間、そのたった2週間でも、いろいろなことがわかってきました。既にレポートしてきましたが、最後は精度等について少し。(追記:初日データの不安定について)

・・・

FreeStyleリブレによるモニタリングについて好き勝手な説明を続けてきましたが、前提にあるのはこのデータの精度・正確度。これが転けていたら目も当てられません。

まず、精度について。FreeStyleリブレの技術資料には測定誤差はプラスマイナス15%と記載されています。これはリアル血液を測るSMBG(自己血糖測定)機器と同じ程度ですから、額面上はFreeStyleリブレもSMBG機器も似たようなもの。

私の手元にあるSMBG機器でFreeStyleリブレと比較した印象でいえば、ニプロのTrue2go(US版)とロシュのアキュチェックST(国内版)ではほぼ同じような値。一方で、国内販売のTruePicoは1割くらい低め。前者2つは測定酵素がPQQ、一方のTruePico(国内版)はFADという違いがあるせいでしょうか。ただ、15℃以下の気温ではSMBGの正確度が落ちるので、そのせいかなとも考えています(というか、どれが真値なのかも不明。コントロール液は範囲広すぎ)。

また、今回のFreeStyleリブレで得た私の血糖値の平均値は108。ここから得られるHbA1cの計算値は5.4%。定期的に病院で測っている私のHbA1cが5.6くらいですから、FreeStyleリブレが出してくる血糖値は少し低めかなとも思いますが、誤差を考慮すればまぁそんなもの。SMBGでもメーカー毎にかなり違いがあり、FreeStyleリブレだけが突出して変な値を出すというわけではないようです。

ただ1つ気になったことあり。FreeStyleリブレの装着1日目、夜間データがちょっと低めになってしまいました。ホンマに低血糖かいなぁと心配になりましたが。2日目くらいで異常値は消失。私だけかと思いきや、連れ合いのでも同じことを経験。どうやら装着後のキャリブレーションに時間がかかるみたい(寝る前に使用開始するのが問題なのかもしれません)。FreeStyleリブレを使ってインスリンや薬剤を使う場合にはデータが安定するまで要注意です。

(追記:初日データの不安定について 3/27)装着後の初日、あるいはもう少し長い期間、FreeStyleリブレの血糖値データは低血糖値を出し、きわめて不安定。3人分4個のアプリケーターでの経験なので、これが一般的な特性なのか、使い方のミスなのか、私には不明です。ただ、この機器をインスリンや薬剤管理に用いる場合には要注意。4つ目のアプリケーター(私自身は2つ目)でも同じ現象だったので気になりました。

(追記2)初日データの異常については、さらに検討しました。ご参照下さい。

そういったことを差し引いても、FreeStyleリブレで得られるデータはきわめて貴重で得難いものがあります。先にも指摘したように、SMBGでは測れない就寝時のデータや実質的に測定が難しい食中のデータが得られる、またスポット測定では得にくいピーク値がわかる、採血する手間がないこと等々は大きな利点です。

難点はコスト。1つのセンサーで2週間分の測定が簡単にできるとはいえ、連続で使えば月に2つ必要で一ヶ月1.5万円かかります。インスリンや薬剤投与で命脈を保っている人ならともかく、血糖値は1日に1回か2回しか測らないという人からすれば、ちょっと手が出しにくい(注)。

もし一定期間に限って自身の血糖値の変動パターン(プロフィール)を調べたいと思うなら、FreeStyleリブレでセンサー3個程度のコストにプラス本体価格で約3万円。将来もし合併症(失明や透析、手足の切断、冠動脈障害、脳障害等々)になったらもっとコストと手間がかかり、QOL(生活の質)が著しく低下するリスクを負うため、今現在の血糖値プロフィールを把握するのは「転ばぬ先の杖」。境界型の私はそう考えて購入しました。お金が「木の葉」になるまえに使うという考え方もあります。

最後にまとめておきます。
先日来お伝えしてきた通り、FreeStyleリブレのおかげで、スポット測定のSMBGでは知り得なかった情報を手に入れることができました。

何よりもまず自分の血糖値の変動パターンを掴むことができ、起床時・早朝血糖値の高低に一喜一憂しなくなったのは大きな収穫です。また、現在行っている低炭水化物食(糖質制限)の是非について判断できたことで今後の食生活の改善にも繋がりました。おまけに行きつけのレストランチェックまでできたのは有り難い限り。思うに、コスト以上の成果と「気づき」、それに安心感を得たと云っても過言ではありません。

こちら、とりあえずあと何回か装着してチェックを続けていこうと考えています。アボット社の宣伝をするわけではありませんが、FreeStyleリブレという有意義な血糖値測定器の登場に感謝するとともに拍手を送ります(ついでながら在庫管理の適正化と価格ドロップも宜しく)。

(注)SMBGでも食事の影響をきちんと追跡したいと思えば、1日10枚くらいのセンサーストリップは使いますから月に2万円は超えます(仮に海外品の個人輸入でも1万円前後)。そういった目的で使うならFreeStyleリブレは割安。

庭のさくらんぼも咲き始め