レストランで払うお金はいかほど?
2019/03/19
「自分の気持ち良い価格限界値」という云い方をネットで見ました。レストランや料亭で支払う金額について、いくらまでならオッケイかという話。云われてみれば、私自身にも大体の目安あり。この件について少し考えてみます。
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「自分の気持ち良い価格限界値」というモノサシを持ち出したのは川井潤さん。氏は「食べログフォロワー数日本一」だそうな。GOETHEのサイトに連載中の「違和感の多い料理店」vol.12 に件の話が載っています。
「自分の気持ち良い価格限界値」とは氏の造語で、『ここまでは夕食に出してもよいかな、と思える最上限値)』のこと。川井さんにとっては「特別な日を例外とすれば現在は3万円くらいだろうか。それでもここ1~2年の飲食店全体の値上げに慣らされて、その数値になった感じ。それまでは、せいぜい2万円くらいのイメージだったから1万円上がった感じ。」(出典は先のGOETHE)。
自分自身はどうかと考えてみると、お金の持ち合わせが少なかった若い頃はともかく、現在ならだいたい1人1万円から2万円くらいでしょうか(お料理のみ)。
私たち夫婦が年に数回訪れるレストランでいえば、まず金沢の乙女寿司ではお任せでオツマミとニギリを頼んで大体1万数千円。アルコール込みなら二人で3万円強。京都の京静華(中華)ならお任せコースにアルコール込み二人で三万円強。
ということで、一人2万円までなら私ら夫婦にとっては美食として『ここまでは夕食に出してもよい』ということになりそうです。もちろん、それ以下で楽しめるなら尚良し、は云うまでもありません。ただし、こちらは週に何度も値の張るお店へ行くというわけではないので、川井さんとは比べようがありません(笑)。
お金の問題はなかなか難しい。材料が高価なものになればお値段は上がります。鮮度を重視する和食の会席なら一人3万円~は覚悟しなければなりません。ずわい蟹や松茸など旬の稀少な材料を使えばさらに高くなります。でも、そういうのは温泉宿などでゆっくり楽しむ方を私は選びます(お腹いっぱいの後ゴロンと寝るだけがいい)。
個々の財布の具合があるし食の好みも人それぞれ。お肉でも魚でも美味しいものはたくさんありで、値段もいろいろ。わざわざ値の張る処へ食べに行く必要はない、そういってしまえば話はオシマイ。でも、私たちはいったい何にお金を払っているのか。
いろいろ考えていくと、美味しさとはモノそのものの属性だけでなく、旬を楽しみ、ちょっぴりホロ酔い気分で語り合ったり考えたりする時間と空間の織り成すワザではないか、ということ。とくに家族や気の合った友人たちと楽しい時間を共有できるなら、お金の多寡はそれほど問題ではないのかも(もちろんお財布の範囲です、念のため)。