ベトナム旅行その1 まずは・・・

.Travel & Taste vietnam

知らない国、初めての国へ行く時には大まかな国情を掴んでおくのがベター。そうでないと事情もわからず中途半端に自国と比較してしまったりするから。ベトナム紀行記をしたためるに当り、ベトナムの概要から始めましょう。

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ベトナムといえば、ベトナム戦争で米国を放逐した社会主義国。ベトナム戦争やサイゴン陥落を知る年金世代の日本人にとっては、そういう印象が強いのではないでしょうか。1975年4月30日当日、こちら大学一回生。戦車が米国大使館へ突っ込んで行くシーンを新聞かTVで見たような記憶がありますが、あれからほぼ50年。

ベトナムは現在、日本よりも遙かにアメリカナイズされました。これが私の今回の印象です。観光客相手にアキナイをする人たちは英語ペラペラ、ヨーロッパよりも英語が通じるのではないかと思われる位。また外貨を稼ぐという目的もあるのか、ホテルなどでは米ドル表示もあるし、ちょっとしたレストランも米ドル表示を併記。極めつけは国際空港で、すべて米ドル価格。帰国時にベトナムドンを処分しようとしたらドル換算することになり、これには参りました(笑)。

さて、ベトナム。人口約1億人、国土の面積は33万平方km。面積は日本の90%くらいで、南北に長い地形という点が似ています。今回の旅は乾期の3月でしたが、気温は南のホーチミンでは30℃近くなのに、北のハノイでは20℃を切る日もあるという落差の大きい旅になり、服装に注意が要りました。おまけに乾期なのに湿度は80%超え。連れ合いは浴衣と軽装の着物の双方を用意したくらいです。ベトナム旅行へ出かける時にはご用心。

通貨はベトナムドン(VND)、日本円との為替レートは1000ドン当たり6〜6.1円なので100,000ドンなら600〜610円。数年前の換算レートは5程度だったので2割程度の円安になっています。こちら旅行中の換算は下三桁の0を取って6倍するという方法で対処しました。

物価はというと、日本に比べて安く、三分の1から四分の1らしい。でも、これはモノによっていろいろ。たとえば生鮮野菜やローカルな食事は安いですが、卵やミルクは日本とほぼ同じ。ベトナム版バケットサンドのバインミーも地元店では安いけど、観光客相手のお店では高い設定がされています。(下表は地元日本語情報誌VIETJOに掲載されていた表)

地元も観光客もいっしょの料金といえば、タクシーやGRAB(後者は運行支援アプリにより注文、日本ではライドシェアとか説明しているものですが、シェアしなくてもオッケイ)。これらは市内2~3kmなら200〜300円もかからず、日本の三分の1以下。この料金が実質的な物価を表しているような感じ。

ベトナムでポピュラーなバインミーがおいしい! 普通のバケットサンドとの違いは作っているのを見てわかりました(いずれ)。

つぎにベトナムの経済。一人当たりのGDPは4000ドル弱で日本の10分の1。これでも10年前の3倍なので最近の経済成長が目覚ましいというべきところ。平均年収も50万円弱で日本よりもかなり少ないのですが、これは国民全体の平均。業界別にみると濃淡があり、金融業や観光業、IT産業では日本並みの年収がある人たちが増えているらしく、給与格差は日本よりも大きいようです。

というのも、ホーチミンで訪れた、1人当り500,000ベトナムドン(日本円で約3000円)かかるような某レストランは大勢の現地の若者で賑わっていました。数字通りの平均所得なら無理なので、お金をしっかり稼ぐ若者が増えているようですね〜。総じて、こちらの肌感覚でも市中には活気が溢れ成長の勢いを感じます。もう10年もすると日本は抜かれるのではないでしょうか。

地元の若者でいっぱいのレストラン、巨大なビールサーバーに注目。@ホーチミン

成長といえば、15年前と5年前に購入したガイドブックでは通用しないくらい変化しています。以前は個人旅行者向けだった『地球を歩く』シリーズは、現在はツアー客対応かと思うくらいにごく普通になってきたし、最新版でも情報遅れ多し。変化が大きい国は印刷本では対処できないということかもしれません。

最近はネットが貴重な情報源。個別論や部分的な紹介は時々刻々と変化する実情を反映しています。とくに若い人の旅行記や体験記には今回助けられました(感謝)。ただし、これらも鵜呑みにできないくらいに日々ベトナムは変化していますからご用心。まぁそこが面白いといえば面白い。

大手のガイドブックに出てこない話といえば、WISEカード。海外へ出かけた時に大切なのは通信手段とご当地通貨の確保。後者の方はWISEカードにお世話になりました。でも、かくいう私も今年2月までWISEカードを知りませんでした。続く・・・