熟成ワイン

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先日コルトンの2006年を飲みました。七年前にブルゴーニュで買い求めたChâteau de Meursaultのものですが、熟成して綺麗に酸が抜けていたので内心びっくり。熟成したワインはスルスルと飲みやすく、併せて食した大ぶりのターキーを一層味わい深くさせました。熟成ワインとはかくも素晴らしいものかと改めて感じた次第です。

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西洋歴の今年もあとわずか。窓掃除も大掃除もまだな拙宅ですが、皆さんの処はどうでしょうか。こちら、面倒くさいことよりも、今年いろいろ食べたり飲んだりしたのを整理する方が楽しい作業です(苦笑)。

さて、熟成とは時間との勝負。最近は早飲みワインも増えてきましたが、良いワインって早くても5年から10年位は寝かせないと熟成域に入りません(ものによる)。そうした熟成ワインは市場では当然値段が高くなりますし、そのことを知っている人たちは早めに買ってセラーで寝かせるのが普通です。要するに株といっしょで安く買って高値を避けるわけ。

そのことを知った私たち夫婦も2000年頃からプリムールでグランヴァン等を少しずつ買い求めてきました。でも円安と某国富裕層の買い占めで値段が高騰し、2006年を最後にストップ。その後は比較的リーズナブルだったブルゴーニュワインに切替ましたが、これもまた為替や流行に翻弄されて値が高騰気味でなかなか買えなくなってきました。

一方で私自身がこの10数年に狭心症に罹ったり、食後血糖値の異常上昇に気づいたりで、いくらワインが熟成しても、こちらがアウトになったら飲めなくなることをまざまざと思い知らされました。やはり健康が第一ですね、ホンマ。その上でこちら自身も熟成させることができれば幸甚です。

熟成といえば、今年ワインをめぐる状況に少し変化の兆し。ボルドーワインは毎年プリムールと称して樽詰め1年目のものを売り出しますが、一番人気のシャトー・ラツゥール(ポムロール)が離脱してしまいました。某国富裕層の買い占め等による歪な話が原因なのか、それとも熟成したモノを売りたいという本来的な話なのかわかりませんが、今後他のシャトーに少なからず影響を与えるはず。

そのラツゥールは今年、モレ・サン・ドニのクロ・ド・タールを買収。ボルドー、ブルゴーニュ双方のトップクラスのワインを握ってしまいました。ここ数年LVMHなどのブランド企業によるシャンパンやワイン事業の買収が活発なことは触れた通りですが、そこにボルドーのトップまで登場してきたわけで、ヴォーヌやモレ・サン・ドニ好きな私にとっては今度どうなるか興味津々です。