白山のふらり で FreeStyleリブレ その2

.Lowcarboあるいは糖質制限 .Travel & Taste FreeStyleリブレ

糖質多めな食事をとっても血糖値が上がらないのはなぜか。そのことを考えるために4月2日の朝食の血糖値をとりあげ、前日夕食と比べてみました。下に示すように朝食は夕食とは異なり、血糖値の上昇が窺えます。この違いはどこにあるのか。糖質の多寡だけでなく、食事のとり方、特に食べる時間に大いに影響を受けているのではないでしょうか。



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日本旅館の朝食はお膳にいろいろ惣菜が並べられ、味噌汁や焼き魚、卵等にご飯がついてくるというのが一般的。ふらりさんの朝食もそんな感じのラインアップです。

ご飯のお供になりそうな惣菜いろいろ。炭火の焼き魚はイワナの味醂干し。平飼い鶏卵の温泉卵。囲炉裏鍋の味噌汁には野菜や豆腐がいっぱい。地産地消の食材の滋味深い味わいに箸が進みます。


5年前の私はご飯大好き人間だったので、この手の朝食ではご飯の2杯や3杯はスルリと胃袋へ入っていました。でも、今はそういう食べ方はしませんし、未練もありません。おかずが第一となり、ご飯は食べるとしても主から従へと変わったからです。

それはさておき、今回の朝食で私の血糖値はどうなったか。それが以下のグラフです。FreeStyleリブレを装着していましたので食事中いちいち採血して測定する手間がなく実に有り難い。


食事開始は8時。食前の血糖値が104で、ピークはちょうど1時間の9時頃で151。その後ゆっくり下がっていき、10時半頃また少し上昇していることがわかります。

朝食の糖質量は、釜炊きご飯を茶碗半分で約28g、惣菜の野菜や豆腐の味噌汁などを加えると全部で35g程度。血糖換算係数が3だとすると血糖値は100アップして200を超えることが予想されます。こんな食事は糖質制限者としてアウトだとお叱りを受けそうですが、実際には50アップの150程度で止まっています。なぜでしょうか。

この朝は約20分かけて比較的ゆっくり食べました。もし35gの糖質を5分で食べて血糖値の上昇が100アップだとすると、同じものを20分かけて食べるとどうなるか。ここがキーです。


食べ方にもよりますが、糖質負荷(摂食する糖質量)が均等だと考えると、20分間の食事では5分間に比べて単位時間当たりで4分の1。もちろん20分間モグモグして不断に食べるという仮定はイレギュラーですが(笑)、それでも食事時間が長くなれば単位時間当たりの糖質負荷が減ることは明らか。つまり、同じ糖質量でも5分で食べるより20分で食べる方がずっと体への負担は少なくなります。それが先の50アップで抑えられたという結果に表れているのではないでしょうか。


前日の夕食ではどうでしょうか。糖質量としては30gを超えているのに、まるで健康人のように血糖値が上がりませんでした。考えるに、食事に3時間近くかけていること、懐石風のサービスだったため一皿一皿のインターバルが10〜20分は空いていたこと等々で時間当たりの糖質負荷としては少なかった、食中にインスリンの追加分泌が間に合ってきたということなのでしょう。前日夕食での血糖値の上昇が少なかったのは、時間あたりの糖質負荷が相対的に少なかったことで説明がつきそうです。

実は、このことはSMBG(自己血糖測定)で測っている時からうすうす気づいていました。だからお寿司屋さんやレストランに出かけてもゆっくり食事をしたら何とか大丈夫だと判断してきたわけです。でも、ピーク値の大きさやその出現時間が明確ではなかったため推測の域を出ませんでした。でも、今回FreeStyleリブレを使った数回のレストランチェックで、この確信は深まりました。


ある食材を摂るとどれくらい血糖値が上がるか、それは糖質量で判断できます。でも、実際の食事は食材1つではありません。血糖値のアップダウンは食べる順番や食べ合わせ、消化の速さだけでなく、食事時間の長短や一品一品のインターバル等々も考慮に入れる必要があります。そう考えると、糖質の少ないものしか食べてはいけないとか糖質量の絶対値を少なくしなければならぬ、という柵みから少しは自由になれそうです。

ただし、膵臓のヘタり具合は人それぞれ。1型の人では上記の話は適用できませんし、2型や境界型でも基礎および追加インスリン分泌の相違で様相は変わります。その辺は各人で血糖値のプロフィールをチェックするしかありません。ご注意。