マイクロスポリジウム

Water

 昨年ミルウォーキーを歩き回っていた時のこと。AIDS団体の事務所を訪問した時、壁の掲示板にびっくりするような表示を見つけました。

その紙の見出しのひとつが、クリプトスポリジウムやマイクロスポリジウムに注意!という内容だったからです。アナルを介して性的交遊が行う人たちにとっては(私は関係ないけど書いていてちょっと恥ずかしい)、糞便性の感染病原体については必要以上の注意を払う必要があり、そういう状況ではクリプトスポリジウムもマイクロスポリジウムも特段区別する必要はないのかもしれませんので、同等に扱う方が妥当です。
マイクロスポリジウムというのは、単一のムシというよりも、エンテロサイトゾーンEnterocytozoon等、微細な胞子虫類の総称で、サイズが1、2ミクロンとクリプトスポリジウムより一回り小さく、感染時の症状も似たようなものです。マイクロスポリジウムが水道水経由で感染被害を起こした事例は今のところありません。関係者が心配する必要はないと言いたくなる気持ちもわかりますが、免疫能が低下したクリプトスポリジウム症患者の約3割からマイクロスポリジウムが見つかっているという報告があり、絶対に水道水感染がないとは言いきれない所が面倒です。