どこかで聴いた歌詞だと思ったら・・・

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昨年暮れのこと、ラジオから流れてくる歌にびっくり。違う歌なのに歌詞はまるでスカボローフェア。おまけに歌っているのはボブ・ディラン。いったい何やねんと調べてみると、いろいろ面白いことが判明。ディランもポール・サイモンもルーツはいっしょだったという話です。

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昨年暮れのこと、つけっぱなしのラジオから、大好きな曲の歌詞が聞こえてきました。番組は山下達郎さんの「サンデーソングブック」。その歌詞とは

♪ Remember me to one who lives there. She once was a true love of mine.

これってサイモン&ガーファンクル(S&G)の「スカボローフェア」じゃないですか!


山下さんの説明によると、曲名は「Girl of the North Country」、歌っているのはやはりディランでした。

一方のスカボローフェアはこちら。映画「卒業」の挿入歌にも使われたのでご存じの人は多いはず。


♪ スカボローフェアに行ったらあの人に伝えてね。私は本当に好きだったんです・・・という歌詞もお気に入りなんですが、透明なギターアルペジオが印象的。この曲を一生懸命コピっていた高校生の頃が懐かしい。その歌詞をディランも歌っていたとはこれ如何に? 

調べてみると、ディランの方は1963年、S&Gは1966年。ディランの方が早い。もともと歌詞はイギリスに伝わる童謡のようなもので、ディランとサイモン双方にこの歌詞を教えた人物がいたらしいことがわかりました。どうりで同じ歌詞なんですね。まぁ歌のデキとしてはS&Gの「スカボローフェア」の方が一般向けしますね。

私自身にてらしてみると、ディランは彼がロックへ移行してからのアルバムは聴いていましたが、フォーク時代のはベストアルバムしか聴いていなかったため、上記のような聴き落としをしていたみたい。それにしても驚きました。歌だけじゃなく他のもろもろも知らないことだらけなんでしょう、きっと(苦笑)。

ヴィンセントが教えてくれたこと [Blu-ray]ボブ・ディランといえば、昨年「ヴィンセントが教えてくれたこと」(原題はSt.VINCENT)の中でビル・マーレーが鼻歌った「Shelter from the Storm」(ディランのアルバム「血の轍」1975に所収)が秀逸。お連れ合い、奥様その他パートナーに感謝いっぱいの毎日を送っている者には納得の歌ですね。

そのビルさん、「アロハ」での悪徳実業家もはまり役だったけど、この映画の演技も素晴らしく、最初は全く注目されなかったのに上映後口コミが口コミを呼んで全米で一気に人気沸騰したらしい。こちら、うっかり映画を見落としたのでDVDが出たらすぐに見ようと思っています。