都合の悪いことは云うな のNHK

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アベノチャンネルの続き。The Economist誌に日本人にとって実に恥ずかしくなるような漫画が出ていました。記事タイトル「Speak no evil」の中に添えられていたものですが、絵がすべてを伝えているので文章を読むまでもないくらいです。

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abeNHKThe Economist誌とはどんな雑誌か。エコノミストという名前の雑誌が日本にもありますが、それとは全く別物で、内容の高さ、追及の深さ、そして歯に衣着せぬ批評眼などで世界有数のクオリティペーパーとなっています。

そのThe Economist誌が2015年5月16日号で取り上げたのが、アベノチャンネルでした。曰く、「悪いことは云うな」(Speak no evil)。ここで、「悪いこと」とは日本政府にとって「都合の悪いこと」でしょうか。

自民党が政権を失ってから復帰する過程でメディアを支配することを戦略的に考えるようになった。先の報道ステーションのごたごた、クローズアップ現代での揉め事、みのもんたさんの失脚等々もすべてその過程で起きた話だ。そして朝日新聞への徹底攻撃や秘密保護法による内部告発潰し等で、政府政権は報道機関を萎縮させてしまった・・・ とのこと。その結果、日本では政府にとって都合の良い報道が行われているのだというわけです。(右の絵はThe Economist誌のSpeak no evilにあったDave Simonds氏によるもの)

記事は最後に、報道の自由に関する世界ランキング(国境なき記者団)で日本の順位が61位、5年間で50コも落ちたことを指摘。つまり、日本の報道は今や南米やアフリカの社会主義国家や独裁政権な国と同じくらいになってしまったわけで。全くもって恥ずかしい。でも、世界の目にはそう映っているということ。

それにしても、世界中の人たちがこの漫画から受ける印象とはどんなものなのか。NHKなんかを信用していない私でも恥ずかしく思うくらいですから、当のNHKの目にはどう映るんでしょうか。既に羞恥心もない状況なら、NHKの画面から軍靴の音が聞こえてきそうです。