私たちの生活は電気仕掛け

.EcoStyle .opinion

停電になればテレビや冷蔵庫だけでなく、ガスや灯油機器も動きません。自宅内で使っている電灯や電機機器の消費電力を調べていると、私たちの生活が基本的に電気仕掛けであることに改めて気付きます。そのことは一昔前に実感していたはずなのに、自分の記憶が薄れていました。そんな電気仕掛けについて少し。

・・・

snow150215年前に自宅を建てた直後、ブラックアウト(停電)に遭遇。既に詳しく書いた通りですが、その時の原因は不十分な屋外灯の漏電対策で発生した過電流によるドロップでした。その時に気付いたのは、私たちの生活のほとんどが電気仕掛けだということ。

停電で電灯や冷蔵庫が使えないのは誰でもすぐわかります。電池で動くものは何とかなりますが、一般的にテレビやラジオは使えません。わかりにくいのは、まず電話。昔の固定電話は電気がなくても電話線が繋がっていたら使えましたが、今のはほとんどダメ(注1)。次に暖房ヒーター。最近のはファンや制御に電気を使うため停電時には動きません。薪ストーブの中にも燃焼ファンを使うものが増えており、これもまた電気がないと使えません。


調理器はどうでしょうか。電子調理器だったらアウト。ガスコンロやガスオーブン等の調理器でも電子制御をしているようなタイプは停電時に使えません。つまり、灯油やガスだって電気仕掛けになっていると動かないのです。

flwr1402なぜ、ガスや灯油機器に電気を使うのか。それは利便性を追求してきたから。ガスや灯油を燃やすだけなら電気は要りませんが、ファンで燃焼調節したり、タイマーや温度調節に電気機器を使うとどうしても電気が必要になります。電気がないと本来の燃焼機能までもが使えなくなってしまうのです。困ったことですね〜(注2)。

そういった調節機能はたしかに私たちの生活を便利にしてくれました。ただし、その利便性の裏側にあるのは電気仕掛け。電気がないと日常的に使う機器の多くが動かない・使えないということを私たちはどれほど理解しているでしょうか。

電気仕掛けがまともに動くためにはいつでもどこでも電気が通電することが大前提。でも、はたしてそれは私たちの生活に必須のことなのか。電気がないと成り立たない社会は電気に依存する社会であり、それがまた原発のような化け物装置の容認に繋がっていくのではないか・・・、そんな風にも思えてきます。電気がなくても動いたり使ったりできるシンプルなものも大事ではないでしょうか。


アンプラグド~アコースティック・クラプトン数年前にクラプトンやニール・ヤングなどがエレキギターのプラグを抜いたアルバムを作り、アンプラグドというのが流行りました。あれだって電気仕掛けの呪縛から開放されたいという意思表示を込めていたはず。電気機器の見直しをしながら、そんなことを考えてしまう次第です。

(注1)最近は携帯電話やスマホの普及で屋内固定電話の必要性は大幅に下がりました。でも、その代わりに、ネット接続用のモデムやルーターの電源をどう確保するかという問題が新たに登場しています。
(注2)拙宅では風呂水や雨水をトイレ水洗に使うために地下水槽に貯めています。その水をポンプでトイレに送っているので、停電時にはトイレの水が流せなくなります。一般的には水道水の圧力があれば停電とは関係なくトイレが使えるはずですが、最新式の便器には電気がないとまともに動かないものも有るので要注意です。