家づくり実践記(14):ブラックアウト

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日本消費者連盟関西グループ『草の根だより』(99/11月号所収)    

 外構関連の工事も終わった新居に、早速「試練の時」がやって来ました。11月中旬、時刻は夕方4時半過ぎ、突然の停電です。近所には電気が来ているので拙宅だけがブラックアウト。私が何かヘマやらかしたのか、それとも建築工事の不備なのか。だんだん辺りは真っ暗になってきました。

 原因を特定しようと分電盤を覗いてみると、とくに落ちたブレーカーはなし。今日は電気屋さんが門灯ダメ押し工事で玄関付近を触っていたのがアヤシイと言えばアヤシイ。とにもかくにも工務店に電話しようとしたら、電話が使えない。拙宅ではISDN通信回線を使っているため、その受送信装置の電源が落ちてしまうとダメ。あ〜〜あ、こりゃヤバイぞ。
気を落ち着かせ、原因究明開始。分電盤のブレーカーを全部落とし、疑わしいものからオンにして通電状況をチェック。最初に冷蔵庫のコンセントをオンにしたところ、パシャッと停電。冷蔵庫をコンセントからはずすと家の電灯がつく。なんだぁ、冷蔵庫が悪いのかぁ。この時点で電話機が生きたので工務店に状況を電話。
ところが、念のために冷蔵庫のコンセントにドライヤーを繋ぐとパシャッと停電。あらま、冷蔵庫じゃないんだ。とりあえず、冷蔵庫のブレーカーをオフにし電灯をつけました。しかし、なぜ一部の電気がつくのかしらん。
 再度気を落ち着かせるためにトイレに行き小用。水を流すとパシャッと再停電。アンガ〜〜〜ッ。拙宅では地下に溜めた雨水等をポンプで 水洗トイレ用に給水しているため、ポンプに通電した途端に停電。あれやこれや各ブレーカーをオンオフいじり回してみると、冷蔵庫ではなく別回路のトイレポンプでも落ちるし、1000W級の電気製品を家中のコンセントに繋ぐと電源が落ちる。おまけに工務店に事故状況をファクシミリしようとすると、すぐさまダウン。電灯1個と電話を生かす程度しか電気がつかない。ホンマにこれが新築の家か!
 救いだったのは、電気が落ちても停電用の非常灯がピカッとつくこと。連れ合いの呆れ視線をヨソに趣味的に揃えた懐中電灯や非常用ライトがここぞとばかりに活躍してくれたことでしょうか。趣味が身を助くというもんです、ハイ。
その後、くだんの電気屋さんから原因究明は翌朝に持ち越す旨の連絡があり、2Fトイレを雨水タンクから水道水につなぎ替えて水洗が使えるようにして就寝(非常時を想定して2系統のラインを作っていたのよね)。翌朝の調査で、原因は電気工事の不具合による漏電であり、電流値が大きくなると一気にアースされていたことが判明。場所も特定できたので、すぐに修復できました。
 
 さてさて、てんやわんやの停電で改めてわかったことは、電気がないと電灯、電話はおろか、FF式灯油ストーブも動かない、雨水利用を誇っても電気がないとトイレも使えない、 なんだかんだ言っても家自体が”電気仕掛け”であることでした。おかげで停電時の対策手順、日頃からの防備対策や備品の整理等を見直しと2000年問題の予行演習ができました。
あなたの家では電気がなくても大丈夫ですか。