穴場なトリノ ニース番外編 その2
2014/10/29
ニース旅行、番外編の2つ目はトリノです。ニースにやってきたのに何故イタリアのトリノまで移動するのか、備忘を兼ねてその訳を記し、辿り着いたトリノの面白さを少し。
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なぜニースまで出かけて帰りがトリノなのか。理由は2つ、まず第一にフライトスケジュール。使ったのがルフトハンザ航空だったので、ヨーロッパのどこからであろうと一旦ハブ空港のフランクフルトへ戻る必要がありました。そのフライトがニースからは早朝の便しかない上、フランクフルトでの乗り換え時間がとても長かったからです。
でも、私たち夫婦には2つ目の理由の方に意味がありました。ニースからトリノへ抜ける途中でピエモンテのAlbaに1泊すれば前回非常に良かったレストラン、Piazza Duomoへ行くことができる、これです。その成果は既にお伝えした通りで、忘れられぬ最高のディナーになりました。
問題は、帰国する前のトリノ1泊。これがどうなるのか。期待と不安半々で訪れたところ、結果的にトリノもなかなか面白いなぁと思った次第。
トリノといえば、フィアットの本拠地で工業都市というイメージが私にはありました。サッカーファンならユベントスでしょうか。食でいえば、グリッシーニがトリノが発祥の地だし、最近日本でも名前が知られるようになったイータリーもトリノが本拠地です。ところがガイドブックではチョコやスイーツの街という紹介でいっぱい。中心街をブラブラすると、チョコレート屋さんとかお菓子屋さんだらけ。砂糖禁忌な者にとってはちょっと辛い処です(爆)。
チョコレートに関しては創業200年とか300年みたいな老舗や美味しいと評判なお店がたくさんあるようです。そこで、買うならどこがいい?とアル・パチーノ風なホテルのフロントマンに尋ねると、GUIDO GOBINOとのこと。トリノにはたくさんお店があるけど今一番はここ、というのです(彼個人の意見です、念のため)。
出かけてみると、旧市街にある戦後創業のお店で、入り口のカフェは人でいっぱい。中はこぢんまり、でも格式高く、販売担当のマダムも感じ良い。カウンターを見ていると、計り売りとかギフト用パックもあることがわかり、いくつか購入してお土産にしました。
トリノは回廊都市。ノスタルジックな旧市街をブラブラすると、深いファサードが強い日射を遮ってくれます。通路の半分はイスやテーブルが置かれてオープンカフェ状態ですが、それでもゆったり歩けます。高年齢の人たちやベビーカーを押している女性たちが多かったのですが、街が歩きやすいためかもしれません。
さてさて、今回最後の夕食です。急遽ホテルで TripAdvisor をチェック。歩いて行ける処で美味しそうなレストランという条件設定で調べて、L’acinoに決定。19時半の開店直後なら席があるかもと期待して出かけたら、予約で一杯とのこと。あちゃ〜。
諦めて帰りかけると、英語の話せるオーナー男性が出てきて、21時から予約のテーブルがあるけれどそれまでの時間ならオーケーとのこと。1時間半あれば大丈夫だと判断して着席。これが正解。
お店は開店と同時に続々とお客さんが訪れ、30分もしない内に満席の盛況。それも地元客が多いのです。こりゃ期待できそうかな。
今日はポルチーニ茸の料理がお薦めとのことだったので、注文したのは一皿目がポルチーニ茸のアンティパスタに仔牛肉の薄切り、二皿目はラビオリとポルチーニのタリアテッレ、3皿目は牛煮込み料理と野菜サラダです。
仔牛肉の薄切り(タリアータ?)は予想以上に皿いっぱいで驚きましたし、ポルチーニ茸の味わいがしっかりした料理は赤ワインにぴったり。煮込み料理が少し大味でしたが、それはご愛敬。エッジの効いた料理というより、お酒や会話をワイワイ楽しみながらの料理という感じでしょうか。そして、合わせたワインが美味しくてリーズナブル。オーナーお薦めのバローロを注文したのですが、コクのある、しっかりしたバローロでした。
なんやかんやで、美味しい料理とワイン、そして居心地の良さを愉しみながら、私たちのニース旅行最後の晩は更けていきました。
駆け足の訪問だったトリノ。でも、記憶に残る町でした。