酷評と裁判所のトンチンカン

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amqebi1408面白いニュースがBBCに出ていました。旅行サイトのトリップアドバイザーに載ったレストランへの批評に対し、フランスの裁判所は書き込んだ女性にタイトルの変更と賠償を命じたそうな。酷評も酷評ですが、裁判所も何か変。

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トリップアドバイザーにしても、日本の食べログにしても、あれこれ書く人はいっぱいいます。褒めちぎる人もいれば、待遇が良くなかったとかでケチョンケチョンに書き連ねる人も少なくありません。また、批評が商売でもないのに訪問したレストランの数が数千という猛者がたくさんいるのをみると、これゾというお店に行き当たらないのかなぁ~と思ったりもします。まぁとそれはそれとして、

今回の件は、当の女性が旅行サイトのトリップアドバイザーに書き込んだ、”the place to avoid in Cap-Ferret: Il Giardino“というタイトルのレストラン評が問題になりました。場所はフランス西部ジロンド地方のアキテールにあるレストラン。

ブロガーの女性はサービスのひどさに頭がきたらしく、度を過ぎた表現や言い回しで酷評したところ、レストランのオーナーが怒って裁判になったらしい。判決は、該当ブログのタイトルの変更と罰金でした。

kijiebi1408行き過ぎた文言がレストランを傷つけたのは確かでしょう。問題なのは裁判所の言い分です。検索サイトで何度もこの書き手の酷評が登場するから罰金を科すというのはあまりにも短絡的。行き過ぎな酷評に対し、行き過ぎた判決となってしまいました。

これではネットで話題になった書き込みで相手方の気に入らないものはどんどん訴えられてしまいます。今回のケースで裁判所はタイトルだけ変えろというのですから、内容には法的責任を求めていません。だとしたら、非を問うべきはグーグルの検索の順番や重み付け。

厄介な時代になりましたね〜。それなりの敬意を持った書き込みの大切さは云うまでもありませんし、お店の方にも謙虚な受取りが要求されています。それをパァにしてお上や権威に頼ろうとすると世知辛い世界しか待っていないのではないでしょうか。


さてさて、カップ・フェラという地名を聞いて反応したのは訳があります。この地名はフランスにいくつかあるらしく、話題になった場所は西部ですが、私たち夫婦が来週訪れる場所の1つもカップフェラ。こちらはフレンチリビエラのサン・ジャン・カップ・フェラです。

サン・ジャン・カップ・フェラには家中がコクトーの絵画で埋め尽くされている、故マダムベスヴェレールの別荘があります。ひょんなことで先月そこを見学できることを知り、お願いしたらオッケイとのこと。ラッキー。

天候不順な時期ですが、皆様もお元気で。

botanebi1408