5000万円

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kumo1311猪瀬東京都知事が初対面の国会議員から5000万円から貰っていた、という不可思議な事件が報じられています。なぜお金が流れたのか、知事の説明からは理由や経緯は全く不明。動いているのが東京地検特捜、徳洲会事件と併せて考えると何かキナ臭い。追記:2013/12/24

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まず、今回の猪瀬事件、先日来喧しく話題になっていた徳洲会選挙違反の延長線上にあるのは間違いなし。徳洲会をガサ入れしたら意味不明な5000万円の借用書らしきものが見つかった、調べてみたら猪瀬都知事へ渡された金らしい、一方で徳洲会の手入れが始まったら都知事側からそれが返金されたとのこと。なんじゃこれ?で、都知事に焦点が移ってきたということでしょう。

実は、なぜこの時期に徳洲会の選挙違反なのか、という疑問がずっと拭えませんでした。お上がその気になれば選挙違反なんか誰でも引っ張れます。だから、この事件が徳洲会の徳田潰しというのはまぁ間違いありません。じゃ、なぜ徳洲会なのか?

無理矢理読むなら、都立病院をめぐる利権争い。公立病院の民営化が進んできた現在、赤字だらけの都立病院を民間医療資本に売り渡し都の財政を何とか健全化したい。徳洲会と猪瀬都知事との関係もそこらにありそうです。一方で、TPP締結で外資が病院経営にも入り込めるようになるんだったなら、そこに切り込んでいる徳洲会は目の上の邪魔。今叩けばアベノミクスの次の一歩にも繋げられると誰かが目論んだ…、それが徳洲会事件。

(追記)12/18猪瀬辞任の過程で利権対象だったのが東電病院であることが明らかになりました。それにしても、辞任で100条委員会は吹っ飛び、東電病院問題も立ち消えになってしまうと、やはり猪瀬追い込みは利権争いだったということを証明したようなものです。醜い話だ。

ところが、次に登場してきたのが猪瀬都知事。当初から都知事が標的になっていたのかどうか、わかりませんが、特捜が徳洲会と猪瀬知事との間に注目したのは間違いありません。でも、何か違うニオイがしてきました。これで話が大きく変わってしまうからです。

どういうことか。つまり、単なる5000万円の受渡し事件ではないということ。知事の登場によって、医療利権よりもさらに大きな権益が浮かび上がってきたのです。そう、オリンピック利権です。

susuki13

大胆な推測をしてみましょう。

安倍首相が国際的にウソをつき、やっと誘致した東京オリンピック。猪瀬都知事らも裏であれこれ仕事したのでしょう。でも、オリンピックの開催が決まり、さぁこれから関連事業だ何だかんだと話が進んでくると動くお金も兆円レヴェル。新たな利権の交通整理もちょー大変です。いったい誰がその役目を担うのか。

おまけに、現在TPPの締結話が進行中。締結されたあかつきには医療分野に外資が堂々と参入してくるだろうし、郵貯・年金にも外資がどんどん入り込んでくるでしょう。自動車を売りたいが故のTPPで「調整」されるのは農業だけではないのです。加えて、オリンピックまで跨がる利権の大きさはあまりにも巨大です。国外勢としては彼らの云うことを素直に聞くような代理人が望ましい。そこで支配層が考えるシナリオとは?

猪瀬のお役目はオリンピックの開催決定で一応終了。少なくともTPP締結までは日本の株価を上げておけば、国民もまぁ文句は云わないだろう。医療も保険もオリンピックもグローバルに進めていく(日本の利権だけに独占させるな)。そのためには国内の関係勢力を叩きつぶし(最大民間医療資本の徳洲会狙い)、利権の交通整理にはグローバル資本の邪魔をしない人物を充てたい(猪瀬潰し)・・・ということではないのか。そこで、米国権益の友軍たる東京地検特捜部が登場したというわけです(注)。

5000万円も裏金を貰っておいて都知事に何のお咎めなしということになれば、知事が支配層に忠誠を誓わされた見返りです。そしてそれは、TPPやオリンピックでこの国が外資に好きなようにやられるという話の始まりだと思う次第。

徳洲会&猪瀬事件の裏側にTPP、オリンピック…、巨大利権が垣間見えてきました。特捜はいったい誰を「お・も・て・な・し」していることやら。

dtutuji1311a

(注)東京地検特捜部には別名CIA東京支局という呼び名があります。田中角栄、小沢一郎などなどの捜査・検挙を見れば、特捜が米国権益をそのまま具現化しているような感じもあり、そう云われてもありかな~ですが、今回もしっかり仕事を開始したのではないでしょうか。

(おまけ)
28日、現代ビジネス誌サイトに「猪瀬直樹という悲しく哀れな”傀儡”のダッチロールを歓迎する「石原利権」の構造」を見つけました。東京都の利権調整について細かい記載あり。