古時計

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tokei
わが家の壁掛時計が数週間前に動かなくなりました。大正か昭和初期に作られたという触れ込みの古時計です。油を注しても数時間でストップ。どうやら歯車のどこかにトラブルがあるようです。

ネットで知った修理屋さんに点検をお願いしたところ、分解清掃でまた動くようになりました。嬉しいことに、以前よりも軽やかで正時の鐘打ち音が若返ったのは驚きです。

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この時計は、家を建てた翌年の6月、時計の日に行われていた大阪梅田の古本屋店街のファアで購入しました。TAISENと銘があるので調べてみると、大阪にある宝飾輸入販売の今岡時計店が昭和の初め頃販売したもののようです。ガワは補修やり替えを行っているような感じなので、内部のメカだけが約95年モノみたい。

tokei2居間の柱に据え付けて13年の年月。修理に出して時計が留守になっても、ついついその場所に目を向け時間を確認しようとしている自分にちょっとびっくり。毎週のネジ巻きが習慣化していたことにも改めて気づきました。

この時計がないと拙宅の生活は何か物足りない気持ちになってくるから不思議です。馴染んでしまったんですね~。

修理をお願いしたのは古時計.net。部品がないということになってコストがかかり過ぎるようなら諦めようかと思っていたら、分解清掃のみで済んだようで安心しました。3日ほど前に戻ってきた時計をまた柱に据えると、チクタクチクタク、以前よりも軽やかに働きます。歯車やゼンマイの分解清掃が効いているようです。

予想外だったのは正時の打鐘音。以前はカン高くて音量が大きく、少し耳触りな感じがしていたのですが、えらく上品な感じに変わりました。音質まで調整して下さったみたい。ラッキー。修理に出してとっても得をした気分です。

時の流れは一方通行。その時の流れの中で生活を営む身としては、時計とは刻む時そのものを実感できるような装置であって欲しい。正確さを求めるのもいいのでしょうが、私はネジ巻きや日常の遅れ進みの調整など手間のかかる作業によって、より身近に時を感じることができる、こんな古時計が大好きです。