「あたりまえ」からはじめなさい

.Books&DVD…

「あたりまえ」からはじめなさい (星海社新書)千田琢哉さんの本。先日 「やめること」からはじめなさい を紹介したら、結構なヒットになっていたので、私が読んだ二冊目を紹介します。こちらも読み易く、意味深で有益です。

・・・

そうやそうや! そうなんだよね~と同調しながら一気に読んでしまいました。先の本が或るコトの否定を勧めていたのに対し、この本は(著者が考える望ましい)或るコトの肯定を他者に呼びかけるという、ウラオモテの関係になっています。

この新書には50コの「あたりまえ」が載っていて、それについての解説がついているだけ。ざっと読むだけなら、こちらも時間はかかりません。でも、この「あたりまえ」が現代社会では当たり前ではないところに、この本の価値があります。

その50の「あたりまえ」は、「職場」、「人間関係」、「お金」、「情報と勉強」、「人生」の5つに分かれています。1つ1つ紹介するのは私の役目ではないのですが、「お金」の箇所についてはなかなか!と思うようなものが詰まっています。

たとえば、「お金を払ってくださる方に感謝する」とか、「迷ったら高い方を買う」、あるいは「支払の際にはお金を放り投げない」。最後のは大切なことですね。飲み屋さんでお金を放り出すように支払っている人を見る度に、あぁこの人はお金に縁がないんだろうなぁと思うことが多いので納得です。

圧巻は「お金持ちを尊敬する」。えっ、お金持ちって悪賢くて狡い卑怯な連中のことじゃないの?と思った人は、テレビや新聞に毒されています(笑)。僻みや妬みで目を曇らしてはいけません。怒りは人を成長させるが、憎しみは人を堕落させるというじゃないですか(誰の言葉だかは不知)。

お金を持っていない人に誠実な人もいれば悪人もいるように、お金持ちにも良い人もいれば悪い人もいます(当たり前)。一部の不埒なお金持ちに焦点を合わせてしまうと、税金をたくさん払い、社会保障をはじめ現在の世の中に実質的な資金提供している人たちの存在を忘れてしまいます。共産主義者ならいざ知らず、少なくともあなたがお金持ちになりたいのなら、まっとうなお金持ちを見つけ出し、その人が何故お金持ちなのかを考え、参考にする必要があるでしょう。ちょっと余談でした。

さてさて、説教本のようでそうでもないのが千田本の特徴でしょうか。著者の千田さんはかなり多作な人みたいで、内容が重なり合っているような気もしないでもありませんが、これから世の中に漕ぎ出していこうという人、ちょっと立ち止まってオカシな世の中について考えてみたい人、そして何より若い人には含蓄があってインパクトがありそうです。