スマートメーター その2

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先日お伝えしたスマートメーター問題。今後の電力改革を占う新規事業になるはずが、旧態依然とした電力業界による利権確保でなかなか前へ進みません。原発の裏では料金徴収システムも複雑怪奇に絡まり合い、世界で一番高い電気料金を作り出しているのです。

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今週号の週刊ダイヤモンド誌によると(2012/7/12号)、東京電力の経営改革本部初会合での議案の1つに、「スマートメーター」が取り上げられていたとのこと。

スマートメーターは、3.11以前では電力会社を総本山とする業界集団の思惑で話が進んでいたのですが、これがあまりにもボッタクリ商売。たとえば、メーターや通信回線を特殊なスペックにした上で、メーターマフィア関連企業だけしか参入できないようにして、自分らだけで利益操作できるように目論んでいたのです。いくらコストをかけてもさらに利益を上乗せして料金を消費者に請求できる法的仕組みになっている限り、メーターマフィアのやり放題。その影で政治家や厄介な連中らにオコボレが出ていたのでしょうね、きっと。

ところが、メーターは国際標準というか普通規格のものを使い、通信プロトコルもTCP/IPにすれば通常の光回線で処理できます。当然ながら、もっと合理的で経済的なメーターにすればコストは大幅に削減できるではないかという外部からの批判もあり、ポスト3.11の経営問題もありで、やっとどうやらまともな話になるかと思いきや、旧勢力の抵抗はなかなかしぶといらしい。

先の雑誌によると、東電の場合、抵抗勢力の中心は東電電気通信部。メーター仕様を独自のものに拘り、原賠機構と揉めているらしい。

さらに厄介な話は、このスマートメーター問題が東電だけに限らないということ。たとえば、関電のメーターは東電のより高価で独自仕様なのだとか! この狭い国土に会社が違えばメーターも違うというのは、それぞれで利権追及を狙っているということに他ならず、この国の電力業界の高コスト体質そして電気料金の高さの原因を延命させてしまうことになるでしょう。

原発原発と表向きな話に目を奪われているだけでは、電力業界の姑息さ悪辣さには到底太刀打ちできません。脱原発社会の実現というのは、原発利権に巣喰う既存業界の利権をぶち壊すことでもあるからです。ご注意下さい!