ある御用学者の「前科」

.opinion 3.11

5年前広島で放射性物質絡みの違法行為が発覚しました。その中心人物が今回の原発事故においてNHKに出ては危険はないと解説し、福島県内各地では放射線被曝の心配はない等と解説している神谷研二広島大学教授その人です。

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まず、当時の中国新聞の社説を紹介しておきましょう(2006/7/9)。広島大学の研究者らが基準を超える放射性物質を使っていながら使用記録にウソの記載をしたり、遮蔽もせずに宅配便で放射性物質を送るなどの違法行為を繰り返していたというものです。

記事によると、「グループは二〇〇〇年から〇三年にかけて、放射性同位元素のヨウ素131を与える動物実験で、放射線障害防止法で定められた一日の許容量の最大六倍も使用。ところが、記録には複数の日に分けて許容範囲内で作業したように偽って記入していた」とのこと。また、「資格のない非常勤職員が従事したり、遮へいしないまま放射性物質を宅配便で送る違法行為もあった。人体や環境への影響はなかったというが、管理がこれほどずさんなのにはあきれ果てる」と指摘しています。

このグループというのが、広大原爆放射線医科学研究所の神谷研二教授らのグループ。この人物、今回の原発事故に際し、NHKでトンデモナイ発言を繰り返していたのをご記憶にありませんか。たとえば、3月23日だったか東京の水道水からヨウ素131が大量検出された時、飲用制限はこどものみでお母さんが飲んでも母乳には出ない等と説明していましたが、その後母乳でも検出されたので根拠なしのウソ発言であることが明らかになっています。

事もあろうか、4月6日福島県はこの人物を「福島県の放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命。案の定、福島県内でウソ八百な講演を繰り返しているそうな。福島県が愚かなのか、それとも上からの大きな力が福島県に働いたのか? 彼の専門が「放射性ヨウ素の内部被曝と小児甲状腺がんの実験研究」であることを考えるなら、人体実験のサンプル捜しに福島県に乗り込んできたのかもしれません。オソロシイ。

いずれにしても、NHKや福島県は杜撰な前科を持つ者を登場させ、原発からの放射線被曝影響の「安全性」を喧伝してきたというわけです。先の中国新聞の社説は最後に、「医の心と危険な放射性物質を扱う原点を忘れてはならないだろう」と結んでいますが、どうやらNHKや福島県にはそんな配慮はありません。

こんな危険な人物がアドバイザーなんて、福島県人はコケにされてますよ。怒るべきだ! そして、一刻も早く辞めさせるべきだ!

なお、この投稿は東北地方太平洋沖地震・福島原発事故というblogに触発されたもので、出典を調べていたら中国新聞の社説を見つけたのでアップすることにしました。mink555さんの鋭い嗅覚と分析に感謝。