キッチンの壁 11年後

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そろそろ年末の大掃除がやってきますが、キッチンの壁掃除はどうします? わが家を建てて11年、一度もキッチンの壁そうじをしたことがありません。なぜかといえば、掃除の必要がないからです。

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家を建てる時に考えた目論見が上手くいったもの、そうでもなかったもの、いろいろあります。上手くいったものの1つがキッチンの壁でした。

一般にキッチン壁はタイル貼りか、あるいはステンレスの板張りというのが相場でしょう。(対面のオープンキッチンは横に置いて)その壁、毎日の調理で油などが付着していきますから、変色したりベタついたり、だんだん汚れていきます。定期的に掃除しないと厄介なことになってきますよね。この掃除が結構面倒なのはやったことのある者ならご存じの通り、私自身、自炊していた学生時代から難儀に感じてきました。

家を建てる時、このキッチン壁をどうするのか、タイル壁がいいのか、その頃出ていた大型タイルってのも良さそうだし、いやいやステンレスの方が掃除しやすそうかなぁ。そんなことを考えていた時、ある本で陶器タイルを使えば掃除はいらない…という経験談を読んだのを思い出しました。いけそうやん! これを使えないだろうかと連れ合いと相談開始。

なぜ掃除いらずなのか。おそらく陶器タイルに油などがしみ込んで表面的な汚れが無視できるのでしょう。だったら釉薬を塗ったタイルではアウト。でも、油の浸透力にも限界はあるだろうし、表面のベタつきは本当に大丈夫なんだろうか。そんな疑問も出てきます。まぁ失敗したら、その時はその時、全部張り替えるって手もあるし、「掃除なし」に賭けてみよう。2人でそう納得。

使った材料はINAXの素焼き外壁用タイル。ショールームに出かけて色合いを確認して採用。目地は目地で接着剤の成分をチェックして納得した日本化成のNSメジセメントを採用。できあがったのが写真のキッチン壁。まるでイタリアンレストランだね~とか工事業者ともども感じたものです。

で、時は過ぎ、早11年。この壁は大正解でした。今まで一度も壁掃除をしたことがありません。普通だったら油汚れが目立つはずなのに、それがありません。よくよく見るとたしかにタイルにしみ込んでいるようです。でも、それはある種のアジのようなものに変化しています。さすがに換気扇は定期的に掃除しなければなりませんが、壁掃除がないだけでも随分気が楽。これ、いいですね~。今から家を作る方、あるいはリフォームする人には是非検討してみて下さい。