Fazioli

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連休中の5月3日滋賀県栗東SAKIRAホールで開催された「アフタヌーン コンサート」へ。京都市立堀川高校音楽科(現在は堀川音楽高校)と愛知県立芸術大学出身の音楽家の方々を中心とした音楽会です。この手のコンサートは家族親族友人の観客中心になってしまうのが通り相場ですが、その日の演奏内容はなかなか質が高く聴き応えのあるものだったので、もっと幅広い観客に聞いて欲しいと思う次第。さて、今回話題にするのはピアノの話。

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会場に着席すると目の前にはFazioliという会社のピアノが一台。今までの演奏会でSteinwayとかベーゼンドルファーとかYAMAHAのピアノは見ましたが、Fazioliは初めて。当日の会場はコンリート打ちっ放しのスケルトンでしたが、このピアノの音は柔らかく、そして心地よく感じました。なかなか!

いろいろ調べると私が無知だっただけで、Fazioliは結構いろんなところで採用されています。世界三大コンクールとも言われるショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールでは公式ピアノの1つだし、今年3月にオープンした福岡市民ホールにも入ったとのこと。

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演奏会の後、当日演奏した人たちと歓談していたところ、関口あきこさん(ピアニスト)曰く、2010年にショパンコンクールを聴きに行った時にFazioliを選ぶ人が何人もいたのを思い出した、とのこと。

ネットでググると、イタリアのFazioliの会社設立は1981年。1984年にはマルタ・アルゲリッチ、ウラディーミル・アシュケナージなどの著名ピアニストがFazioliを使うようになり、1990年以降はハービー・ハンコックはじめジャズ系の人たちにも使われているようです。

ショパンコンクールの公式ピアノの1つになったのは、ショパン生誕200年の記念イヤーだった2010年。先の関口さんの話は、最初の年から何人ものピアニストに選ばれたことを示してします。現在はチャイコフスキーコンクール、ルービンシュタインコンクールなどでも公式ピアノの1つに採用されているとのこと。

それにしても、ピアノという道具(ハードウエア)がジャンルを超えてどんどん進化しているみたいで面白いですね。

ついでながら、現役ピアニストの関口さんにどんなピアニストがお好きか連れ合いが伺ったところ、表現力豊かで優しいピアノの「藤田真央」とのこと。雰囲気が同じでいいなら「マリア・ジョアン・ピリスもいい」とのこと。

早速調べると、藤田真央さんは海外での著名オーケストラや著名音楽祭での演奏が多く、2025年度のリサイタルはカーネギーホール・ウィーン・リンツの3ヶ所。日本ではなかなか単独の演奏会が見つかりませんが、年末に東京川崎そして北九州響ホールで師匠キリルさんとのデュオ・リサイタルがあることを知りました。一方、ピリスさんの方は広島の被爆80年の平和祈念で「平和の夕べ」コンサートを行う予定。7月のサントリーホールは完売ですが、幸い愛知県芸術劇場には空きがあったので即刻ゲット。楽しみです。