FXで稼ぐ人はなぜ「一勝9敗」でも勝つのか?

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【新版】 FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?松田哲さんの名著が新版になって登場。最初の版が2007年3月だったので既に3年。本の内容は、イカサマ師マヤカシ師がウヨウヨしている相場の世界では例外的ともいえる位、まっとうで有益。
新版では最近のギリシア問題等が追加され、著者のぶれないスタンスにはさらに磨きがかかっています。

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2007年から2010年、サブプライムローンやリーマンショックそしてギリシア破綻危機など、外国為替は大きく変動してきました。円キャリーが破綻した一方でドルが没落するかと思いきや、昨年来のギリシア問題等でユーロの方が先に暴落し、そしてオージーキャリーの命運も尽きかけています。

そんな激しい変動相場なのに、誰でも簡単にお金儲けができるとか、わずかなお金で1億円超を稼いだとか、そんな威勢の良い話が巷間飛び交っています。運が良ければ、それはあり得るかもしれませんが、5年10年生き残れるかどうか。むしろ、過去の成功記憶が明日の破滅に繋がるのではないかなと、半ばやっかみに見てしまいます(苦笑)。

だって、明日はいったい何が起こるのか、そんなことは誰にもわからない。売りなのか買いなのか、なかなか判断がつかないような為替相場で生き残り、それなりの利益を確保するのは容易いことではありません。では、いったいどうしたらよいのか。上記の本から売り買いだけに限定して抜き出すと、

・必勝法などないことを悟ること(相場に聖杯なし)
・売り買いは月足でみる(日々の変動ではなくある程度大きな変動を観察)
・チャートポイントをチェック(転換点に注意)
・その他いろいろ
(括弧内表記は私)

インスタントに売り買いのタイミングを知りたい人には肩すかしでしょうか。でも、これが王道(だと私も思います)。シンプルといえばシンプルですが奥は深い。日々の為替変動を目の前にしてしまうと欲目や怖れで右往左往するのが普通ですから、いくらシンプルとはいえ、ルールを守り規律正しく対処するのは思ったよりも困難です。まぁそれは読者側の問題ですね。

本中にはいろいろな心構えというか、為替相場への対処方法の解説も満載。とりわけ月毎に分けた取り組み方法を記したものは実に有益です。最初版を読んだ時、なるほどなぁと頷くことしきり。たとえば、12月は大口トレーダーが休みをとるので動きが激しく予測がつかなくなるので云々…など、為替相場にもリズムというか周期性あるいはアノマリーがあることが指摘されています。

この本は虚飾抜きで確実に利益をあげたい人にお薦めします。ただ、読んだからといって実践が伴わないとお金儲けには繋がりませんので要注意。

なお、今回読んだ最新版は出版元の技術評論社の発売キャンペーンにて頂戴しました。便宜を図って下さった著者の松田さんと担当者のMさんに感謝いたします。