リーマン・ブラザーズ

.Books&DVD…

リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か元リーマン・ブラザーズ証券社長だった桂木明夫さんが書いた「リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か」。どんな分析なのかぁと読んでみると恨み節がメインで、従業員の再就職に奔走して多忙だった自分のことを書いているだけ。なんじゃこれ?

・・・・・

桂木氏曰く、サブプライムなんかみんなやってたんじゃないか、なぜリーマンだけが潰されるのか、フェルドCEOは本当はイイ奴なんだ…とのこと(概意)。ポールソン財務長官への恨み辛みを述べながら、一方で「すべての責任をなすりつけようというわけではない」と弁解した上で、最後の最後でまた、「お粗末な対応」と最後っ屁。いったい何がいいたいの?

分析も解析もなく、ただたんに傍観者的感想の書き連ねや他者への責任転嫁ばかり。ご自身の責任に対する見解や反省はほとんど感じられません。おそらく、そういう感性や思考形式が強欲資本主義の骨格なのではないかとも思いつつ、人の格というのはお金では絶対に測れないなぁと改めて思います。読後感は少し憂鬱。

ただ、彼の「このような騒動はまた繰り返す」との見解については同意。そりゃそうでしょう。だって、彼のような関係者に根本的な反省がないのだから、姿を変えて同様の状況がまた登場するはず。読みたい人は買って読むより図書館から何処かで借りて読んで下さいまし。