デノミという名の財産没収

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北朝鮮で先月デノミが実施されました。メディアは100:1の交換比率を報じ、「デノミ」だと称していましたが、これはマヤカシ(きっぱり)。ホンマは「資産没収」の断行でした。

さて、そのメディア称「デノミ」、持っているお金を新通貨にすべて交換できるなら、まんまデノミで問題なし。でも現実は違い、一部のメディアでは交換に上限があることを報じていましたが、1人日本円相当で10万円程度しか替えられない。これではデノミにかこつけて将軍様がしもじものお金を盗んだと云わざるを得ません。

ではなぜその「事実」をメディアは報じないのか?デノミの時には邪悪な思惑が付随するので、そちらを見抜かなければ権力の横暴に加担しているのと同じ。ましてや、いつもは北朝鮮の悪業を書き立てるのが好きなメディアもあるくらいなのに。

ではもう一度尋ねます。なぜ、資産没収だと報じないのか?なぜ、その後の急激なインフレで苦しむ庶民の姿を取り上げないのか?

私の答は簡単。日本でも他国でも権力者は同じようなことをしたいから・・・、これに尽きます。メディアはそのことを察しているのでせう。

今回のようなデノミ政策が資産没収であることをしもじもの庶民に知れ渡ると困るのです。だから、できるだけ触りたくない。これが権力者の本音かも。いくら北朝鮮がアコギだからといっても、デノミとは、ことの真相を報じることが躊躇われるほどの奇手それもノドから手が出るほど使いたい奥の手だから、というわけなのでしょう、きっと。

それは疑い過ぎ、穿ち過ぎだというおっしゃる方へ。日本でもここ百年数十年の間に2回「資産没収」の実績があることを思い出して下さい。一度は明治維新の直後、2度目は第二次世界大戦の後。歴史教科書ではその辺の事情をきちんと語りません。その理由も上記の話といっしょ。きちんと説明すると3回目が巧くいかなくなるから、です。

蛇足。資産没収といえば、民主党のバラマキ予算がまとまりました。あれだけ派手に仕分けパフォーマンスをやっても防衛費は増加という話に民主党の本当の姿が見え隠れ。黒いハトに騙されてはいけません。また、マニフェスト時からのバラマキが実は国民の貯蓄資産を担保にしたお金(国債ほか)に頼っているという「事実」の方は重く報じられることもなし。目先の子ども手当に喜んでいると、何時の日かごっそり国富が毀損されていたことに皆が気づくという悲惨な未来が見えてしまいそうです。