ゴルゴ13 x 外務省

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パスポートの期限がこの7月で切れるので先月更新に最寄りのパスポートセンターへ出かけました。その時、申請窓口横にゴルゴ13の漫画本が山積。物珍しそうな視線に気づいた係官が「どうぞ、お持ち帰り下さい」とのことだったのでⅠ冊頂戴しました。じっくり見ると、副題は「中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」、なんや、これ?

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一般パスポートの有効期間は10年。こちら手持ちの期限が今年7月で切れることになり、更新するかどうかで少し迷いました。というのも、今年はまだ海外旅行ができそうにないし、新規に作成するのも更新するのも手間としてはほぼいっしょ(新規は戸籍謄本などが必要)。

まぁ世の中何が起こるかわからない、急にどこかへ飛ばなければならないことも起こるかもしれないと考え、とりあえず継続しておこう。ということで地元のパスポートセンターへ。そこでゴルゴ13本に遭遇したのは予想外でした(笑)。

皆さんご存じの通り、ゴルゴ13とはさいとう・たかおさんの漫画のタイトルで、主人公の俗称でもあります。1968年に連載開始で既に54年! つい最近、単行本の世界記録を打ち立てたとかというニュースも出ていましたが、登場の頃の姿と顔があまり変わらないのは変ですが、ほとんど違和感がないのはストーリーの弛まぬ現代性の所以でしょうか。

そのシリアスな漫画をちゃっかり利用しようとしたのが外務省。本来ならゴルゴは特定国家に加担することはないはずですが、特段なギャラでも貰ったのでしょうか(笑)。

この本は、グローバル化された世界に日本の中堅・中小企業がどう対応していくかという目的で作成されたようで、外務省海外安全情報の活用を強く薦め、安全な日本と海外では事情は違うゾというのをゴルゴ13とともに説得していこうというもの。

それにしても、内容がまるで落語か漫才で、シリアスなゴルゴ13を期待して読むとみごとに外れます(苦笑)。でも、字面だけの解説書よりも取っつきが良いのは確か。外務省の狙いもそんなところなのでしょう、きっと。

一方で、こういう人気漫画の形式にしないと多くに読んでもらえない、あるいは中堅・中小企業が海外での安全対策が採れないとすると、それ自体が大きなリスクの表れ。

日本の常識は海外では非常識。平和な国で考える安全対策では海外では痛い目に遭いかねません。改めてこの漫画で感じた次第。