藤田紘一郎さん

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今朝のニュースで藤田紘一郎さんが先月14日、81歳でご逝去されたのを知りました。『笑うカイチュウ』や『清潔はビョーキだ』等の著書で知られる寄生虫学者の藤田さん。面識はなかったものの、二度ほど接近遭遇未遂?!があり、メディア出演などのきっかけを頂戴しました。慎んでご冥福申し上げます。(追記:TV番組の名前を訂正)

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単行本の表紙

藤田紘一郎さんとのリンクの一つ目。20数年前のこと、先輩のO氏から「藤田さんの本にあなたの名前が出てくるよ」との連絡があり、くだんの本を入手したら、たしかに唐突に自分の名前が登場していました(藤田さんの『清潔はビョーキだ』の単行本185ページ)。

なぜ名前が出ていたかといえば、90年代当時新聞に載っていた氏のコラムに対して、新聞社に内容がおかしいのではないかという投書をしていたのですが、それがそのまま藤田さんの本に載っていたというわけ。新聞社からも藤田さんからも事前の連絡はありませんでした(笑)。

氏が「WHOでは水道水中に大腸菌が出てもオッケイなのに日本ではダメ」なのは日本が清潔好きだからだ(概意)と指摘した箇所について、単なる基準の解釈問題で本質的にはいっしょだ、と私が説明した箇所がそれ。私の言い分を日本の水道界の常識だと断じた下りには(異端とか傍流とか云われてシカトされている)私にとってはむず痒いような、苦笑ものでした。



文庫本の表紙

二つ目。こちら1997年にTV番組「サンデープロジェクト」で、ある企画を製作から参加し、それをナマ出演で解説する機会がありました。水道水中に紛れ込んだ原虫クリプトスポリジウムで40万人の市民が感染し、100数十人の死者が出た米国ミルウォーキーの事件に関する話で、田原総一郎さんと紳助さんが出ていた頃の話です。

その直前の同番組で出血性大腸菌O157のことを取り上げた時、解説で登場していた藤田さんが担当ディレクターに「水道水でも微生物で死人が出た例があるんだよ」と伝えたらしい。びっくりした担当者が本屋で水道水に関する書籍を虱潰しにチェックし、私の『あぶない水道水』に辿り着いたのでした。

ちょうど埼玉県越生町で同様の被害が出ていたこともあり、即番組作ろうとアメリカへ飛び立ったのが8月のお盆前後。私にとっては暑い暑い夏でした。ちなみに、その担当ディレクターは後にフセインの単独インタビューに成功した芳沢さん。


TV出演に関して藤田さんが直接私を推薦したわけではなかったのでしょうが、間接的には藤田さんのおかげで表に出ることができたといってもいいでしょう。なんやかんや御世話になりました。ありがとうございました。感謝を込めてご冥福を願っています。