労災感染のCOVID-19

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いずれ感染禍は終わる、もう少しの我慢だ・・・、そう考えるのは人情です。ですが、具体的な終了目標(エンドポイント)を明確にしない限り、いつ終わりが来るのか不明です。現在の国のやり方では延々と先延ばしされ、ユルユルな「緊急事態宣言」が継続しそうな気配。そんな状況の中、やっと医療現場の感染を労災認定するという動きが出てきました。

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昨日の報道によると、厚労省は28日晩に医療現場の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の労災補償に対する見解を発表しました。

曰く、

(出典は「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け))

医師や看護師ほか医療関係者の中に新型コロナウイルスの感染者が出ているのはご存じの通り。医療関係者は多忙な毎日を強いられ、明日は我が身かと案じながら、不十分な防護環境の中で毎日の仕事をこなしています。なのに厚労省はそんな働き手に配慮をするつもりがないのか、なぜかしら労災補償を認めていませんでした(官僚さんが暢気なのか政治家の対応が遅いのかは不明)。

その労災補償がやっと4月28日になって認められました。望んで感染する者は誰もいません。少なくとも労災認定してもらえれば少しは安心して働くことができます。なのに仕事で感染したら、病院は何していたんだ!、感染した者が悪い、自己責任だ等と云われてしまうという状況でした。

知り合いの医療関係者曰く、COVID-19に関して、院内感染という云い方がそもそもおかしい、とのこと。入院時点で感染しているかどうかがわからない人、感染が疑われても国の奇妙な指針で検査をしてもらえない、そんな患者さんが病院へやってきて、後日PCR陽性と判明した場合は院内感染にあたるのか。「院内感染」というのは、入院時点で感染していないことが証明されている者が入院後に感染した場合だけではないのか。

加えて曰く、今後は新型コロナウイルス感染症の患者さんの診療/介護をしている医療機関の医師・看護師・介護従事者などの感染については、正しく「労災感染」と呼んで欲しい、とのこと。

市中感染が広まっている現在、医療機関も既にその一部。だから、医療機関で感染が判明したら何でもかんでも「院内感染」にするようなことはやめて欲しい。そんな杓子定規な報道が現場の医療関係者を孤立させ、理不尽な苛めに繋がっていくからです。

まだまだ続く感染禍。それに対応するためにも医療関係者や医療資源(リソース)を貶め潰すような行為は厳禁です。医療関係者が疲弊したら、あなたを含め助かる命も危うくなってしまいます。

厚労省が感染禍について労災を認めた現在、杓子定規に「院内感染」を多用する報道機関があれば、それは医療機関・医師・看護師・介護従事者などに対する「イジメ」に他なりません。報道関係者の皆様、労災感染の件、よろしくご理解下さるようお願いします。