オワコン 5  終身雇用 年功序列 年金制度

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オワコンの続き。考えれば考えるほど昔は当たり前だと思っていたことが瓦解していることに気づき、唖然としています。なのに現実はどうか。過去の遺物のごときオワコン話にいまだ拘っている若い人を見ると未来はホンマに大丈夫か・・・と思ってしまうこの頃です。

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先日のオワコン経団連の話を他人事のように思ったら大間違い。すべての人にとって面倒で厄介な時代に既に突入してしまっているからです。

私がいうまでもなく、この国には終身雇用制度という仕組みがありました。おまけに年齢を重ねると給料がだんだん上がり、年の功を重視した年配者優遇の職階制度もありました。でももう、これらはオワコン。いまだにそういう制度が残っているなら、稀少価値のある素晴らしい企業か、あるいは体裁偽装のオワコン企業なのか、じっくり考えてみて欲しい。

なぜそんな世界でも類い稀な制度が運用されていたのか。それは戦後の高度経済成長を支えるのに最適だったからです。労働基準なんのその、働きバチのごとく働けば将来の安定安寧は保証されているという、その安心感こそが機動力になっていたからです。

幸運なことに戦後の世界的な需要拡大にうまく乗り、日本は世界有数の富裕国家になりました。でも、その成長モデルは今では過去のもの。日本の代わりをする中国等のアジア各国やソ連崩壊以降の東欧各国が勃興してきたからです。

当然ながら、そのビジネスモデルを支えていた終身雇用や年功序列もオワコン。いい企業に就職すれば定年まで安定等ということはもうありません。利益重視を人材圧縮で対応するネオリベ企業が蔓延り、正規従業員になれない人も約半分。それでも若い人がそんな企業に縋り付くのは他に術がないからなのでしょうか。

そんな世知辛い将来にどういう考え方で生きていくのがいいのか、それは若い人自身で見つけ出すしかありません。とりあえず、終身雇用や年功序列の恩恵を受けた40代50代以上の者たちの話を真に受けると将来を間違えますからご用心。

年金制度も同じくオワコン。だって、年金者は増える一方で、人口は減り、正規職員が減ってしまえば原資の補給は十分にできません。現在の50代半ば以下の年齢なら払った金額をもらうことすら覚束ない状態に破綻しています。なのに年金制度は破綻しないと提灯持ちの評論家が抗弁していますが、わずかでもお金が出れば制度としては残っていると云っているのと同じ。これまたご用心。