オワコン 4 経団連
2018/12/17
オワコン続きで、今回は経団連。
日本は「失われた20年」と云われますが、数えてみれば既に28年。これから株価がまた暴落すれば「失われた30年」に変更されそうな雰囲気。なぜそんなことになったのか。その原因の1つに経団連のような組織がのさばっている、という問題があるというのは言い過ぎでしょうか。
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日本の企業を束ねる経団連。会長副会長の企業名でいえば、日立や三菱三井住友の旧財閥系、それにトヨタや日本生命、JR東にインフラ系建築会社等々、名前を聞けば誰もが知るような大企業で構成されています。
それら大企業は戦後の高度経済成長を担った輝かしい実績がありますが、それは過去の話。世界経済がグローバル化し、おハコの加工貿易(原料輸入・製品製造・輸出)のビジネスモデルは新興国の勃興で通用しなくなりました。トヨタのかんばん方式でさえ、部品点数が少ない電気自動車の時代には有効性を失ないかねません。
一方で、金融機関や保険産業は世界的にみれば周回遅れ。インフラ産業は老朽資産の負債化で今後の成長はとても望めない。オリンピックや万博で息をつなごうとしても終ったら大借金という有様です。
厄介なことに人口はどんどん減少。1人当たりのGDPでいえば、日本は破綻寸前のギリシア並みなのに、全人口で算出したGDPが世界第3位だと新聞テレビが取り上げるので、ほとんどの人は実質的な凋落を知らないかもしれません。生産性の低さは、煎じ詰めれば現在のビジネスモデルがうまくいっていないから。
考えてみて下さい。東芝はどうして粉飾決算をしたのか、三菱自、日産、富士重工の検査偽装はなぜ行われたのか、東洋ゴムなどの耐震偽装はなぜ起こったのか。理由はそれぞれでも、総て既存のビジネスモデルが失敗しているのを明快に示しています。そうした過去の成功モデルにしか縋るものがない先に待っているのはガラパゴス的な社会ではないでしょうか。
これは私の勝手な見解ではありません。楽天の三木谷社長が経団連を「オールドエコノミー」だと断じて脱会したのも同じ理由(これは機会を改めて整理したい)。
ここで興味深い事実を1つ。ひふみ投信を運用する藤野英人氏によると、
2001年9月末~2011年9月末での10年間、日経平均株価は1,000円以上下落しています。しかし個別に株式を見れば、同じ10年間で、株価が上昇した銘柄は1,493社と上場銘柄の57%もあったのです。さらに2000年以降、株価が5倍以上になった銘柄は783社、さらに10倍になった銘柄も278社もありました。(出典は『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい』ダイヤモンド社)
とのこと。「失なわれた」云々と称して日本を代表する企業群の株価が大幅に下がっている一方で、この国の半分以上の会社の株が騰がっていたというのは、新聞テレビに毒されている人にはちょっと信じ難い話かも。おまけに、5倍10倍の会社もザラだという事実は、マーケットがオワコン大企業を見放し、新しいビジネスモデルを模索しているということに他なりません。
お金の流れは未来を先取りします。求められているのは今後の社会を見据えた斬新なビジネスモデル。今後の日本の活路は大企業依存型の考え方から脱け出すこと。経団連に象徴されるような大企業は抜本的な改革でもない限りオワコンなのです。若い人はとくに心して考えるべき(きっぱり)。