アンチ・フラジャイル

.Books&DVD…

タレブさんの本はだいたい読んでいましたが、この「ANTIFRAGILE」の日本語版が6月に出ていたのは気づきませんでした。7月は弟の葬儀、自分の心臓カテーテル手術等々でバタバタ。9月になってやっと気分が落ち着いてきたので読み始めてみると・・・、なんとまぁ素晴らしい内容に大々感激。私にとってはここ数年で1番のお薦め本。ネオリベ主義者やら効率主義にどっぷり染まった人には全く理解できない世界なのでしょうが、でもホンマはタレブの云う方が現実なのでは?
・・・

反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

ナシーブ・タレブさんといえば、ブラックスワン。本サイトでも彼の著作や見解については何度も取り上げてきました。

 

タレブさん曰く、ブラックスワンは本書の補助的な作品で、本書のほうが主要書だとのこと。ダニエル・カーネマンは「私の世界観を変えてくれた」と帯に載せていますが、ホンマにびっくりするほど素晴らしい! 本の内容はいずれおいおいすることにして、ほぼ読み終えた時点ですぐにも表明したい思いでここに紹介する次第です。

これから読む人に一言。翻訳者の望月さんはANTIFRAGILEを「反脆さ」と訳出しており、これは私たちの日常感覚では非常にわかりにくい。とりあえず、そんなものかと読み進めないと最初のところで躓いてしまうかもしれません。でも、下巻の最初の方でよりわかりやすい説明が出てくるのでそこまで我慢して読み進めれば、彼の言い分の奥深さと素晴らしさに納得できるでしょう。あぁ、それにしても何て素晴らしい本なんだ!

変な云い方かもしれませんが、タレブさんの本を読んでいて私は自分と同じニオイを感じました。もちろん私には、戦争で国を追われた経験もありませんし、現在のステイタスも全く違います。でもタレブさんがアカデミズムを信用せず、サラリーマンを辞めた経緯には自分自身を映してしまいました。まぁ、この本読んで愚かな話だと思うような人と私は友達にはなれないでしょう、きっと多分(苦笑)。

上下巻横に並べると1つのタイトルになります。