都知事候補の闇

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東京都知事選。海外出張にファーストクラスを使ったり、公用車を私用に使ったりの公費乱用だった舛添前知事の辞任に伴う選挙が始まりました。ところが自民党候補の増田寛也氏は岩手県知事時代に舛添さんと同じくファーストクラスで海外出張していた人物で問題。そんな人物を引っ張り出してきた自民党には何か特別な理由があるのかと思っていると、とんでもない事実に唖然。彼は東電の関係者だったのです。

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tokiyoP16増田候補と東電との関係を報じたのは日刊ゲンダイ DIGITAL、「増田寛也氏 社外取締役だった「東京電力」との本当の関係」(2016年7月16日)です。

曰く、「告示直前の7月8日まで、東京電力の社外取締役を2年以上、務めていた」と指摘し、その報酬の多寡も秘密にされていることを問題にしています。

この指摘、つまり増田寛也候補が本当に東電の社外取締役なのかどうか、会社四季報で役員一覧を確認したところ、右リストの通り。これは立候補前のリストになりますが、たしかに増田候補が東電の重役だったことは間違いありません。(出典は2016年四季報デジタル版夏号)

どういう経緯で東電の社外取締役になったか、その報酬はどれくれいのモノだったのか等々、東電側が公表しないと云っているので不明です。でも、このまま都知事になれば東電のヒモ付きであることがバレるため(利益相反)、選挙直前で急遽取締役をやめたということでしょう。


でも、この経緯は東京都の有権者にとっては重い事実です。安倍政権は東京オリンピック開催に際しフクシマ事故をなかったもののように振る舞っていますが、東電関係者の増田候補はそれを支えるだけではありません。今後東京都内でも顕在化する被爆影響をもなかったもののように振る舞うでしょう。それがスポンサーである東電の意を汲むことに繋がるからです。

オリンピックをめぐる利権だけでなく、東電のエネルギー利権まで顕在化してきた今回の東京都知事選。東京都民の良識が問われています。