三井寺の桜 2016

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例年通り桜の季節。今年は全国的に少し早めのような感じですが、吉野山などのニュースを観ているとまぁ例年通りみたいですから、市街地が少し暖かかったということかもしれません。
こちら、何年か振りに三井寺へ。朝がた雨降りだったこともあり人影まばら。10時頃運良く雨が上がったので満開直前の桜をゆっくり堪能しました。

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大津の三井寺、別名は園城寺。天台宗総本山で、近江八景の「三井の晩鐘」でも知られています。そして、もう1つ知っておいて欲しいのは京都疎水との関係です。

京都の飲み水はびわ湖の水。その取水口はこの三井寺の西側湖岸にあり、そこから三井寺境内の地下を通り京都の山科へ向かいます。下の写真はその水路をびわ湖側から観た景色。京都疎水の入り口であるこの水路のことを知っている京都人はどれくらいいるのか知りませんが、ここは京都の生命線です(きっぱり)。

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さて三井寺の桜ですが、手前の水路沿いの桜だけでなく奥側の三井寺山中も桜が満開です。ここはソメイヨシノ以外にもいろいろあってなかなか。境内では13日までライトアップとのことですから機会があれば是非どうぞ。疎水べりだけを観るなら観覧料はいりません(三井寺は大人1人600円)。

個人的な思い出を1つ。当日連れ合いと桜見物で徘徊していると、立ち入り禁止区域に在る宿坊になぜか見覚えあり。覚束ない記憶を辿ると約30年前その建屋の中にいた自分を思い出しました。三井寺のお坊さんらと額寄せ合ってそこで侃々諤々会議をしていたのです。

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バブル華やかなりし頃、京都市が疎水を拡張するため三井寺の地下に新たなトンネルを作って水を引こうとしたことがありました。この対応を巡って集まりがあり、私自身も京都市の水道政策の問題点を明らかにしながらいっしょに参加していたのです。それがつい昨日のことみたいでもあり遙か遠い過去でもあり。昔の自分を宿坊外側から今の自分が見ているような、何か表現しにくい奇妙な感情を覚えてしまいました。

そんな個人の記憶や思いとは別に今年も三井寺の桜は綺麗な佇まい。なんやかやを流し込んで時の流れは永遠なり、そんな感じです。

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