土用の丑

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今年は土用の丑が2回。その2回目が昨日5日でした。鰻を食べた方もあるかもしれません。
さてさて盛夏は鰻の旬でもないし、そもそも何故、丑の日に鰻なのかもよくわかりません。ということで、調べてみると、どうやら鰻業界の商売戦略みたい。

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土用の丑についてはWiKi等を調べてみればわかります。年に1回だったり2回だったりするのは定義上のことですが、年の半分くらいは2の丑の日があるそうです。

21c_150801じゃなぜこの日に鰻を食べるのか。鰻は秋から冬にかけて脂が乗るため、盛夏が旬というわけではありません。江戸時代、夏の真っ盛りに鰻が売れないので困った業者が、かの有名な平賀源内に相談したところ、店頭に「本日丑の日」という張り紙をしたらいいと薦められて大繁盛したので広まったという説があるそうです。栄養価が高いから夏には良いとか、そんな類の話は後付なのでしょう、きっと。

現在は養殖モノが一般的ですから、味わいについては通年いっしょ。だからいつ食べてもいいはずですが、鰻業界及び販売関係者は夏の「土用の丑」を声高に云うことで、まるで縁起物みたいに私たちをその気にさせる(誘導している)というわけ。一種の洗脳操作みたいですね〜。

 

最近鰻の稚魚が獲れなくなってきたことで養殖モノがコスト高になってきました。普通のサイズでも2000円前後、ちょっと大きめだったら3000円前後の値段になっています。中国産は安いけど養殖方法に難があったり信用問題があるんで手が出ません。

こうなってくると鰻は高級品。土用の丑でもわざわざ食べようという家庭は減ってきます。結果、売れ行きは減り、余計に価格は高くなるという悪循環。庶民の食べ物というのであれば根本的に何か考え直さないと未来は暗そうです。

ちなみに私は穴子で十分楽しめるクチです。資源やコストを考えるなら何も鰻に拘る必要もないのでないでしょうか。

穴子のにぎり 乙女寿司にて 2015/8/1

穴子のにぎり 乙女寿司にて 2015/8/1