尻まくり

.opinion

大阪都構想が否決された直後、橋下市長が「負け」宣言を行いました。その淡泊さに何か不気味なものを感じたのですが、淡泊さの意味は、セイセイした、もうお金の問題は知らんゾ、そんな尻まくりだったのではなかったのか。以下、私の勝手な推測です。

・・・

tanbo1505b大阪府・市の二重行政を解消するというのは大阪にとって重要な課題であることに異論はありません。一時期大阪府の公務員だった経験からして、むしろ私は大賛成。でも、橋下市長の唱えた大阪都構想じゃないと二重行政が解消できないというわけではありません。むしろ、大阪都を作らなくてもできることはたくさんあるじゃないですか。

既得権をぶち壊さなければ大阪都は生まれないというわけなのでしょうか、橋下市長は都構想に拘りました。まぁ意図は理解できます。でも、その代わり生まれる新たな利権については曖昧でした。

大阪市営地下鉄の民営化の受け皿はどこなのか。大阪市の土地建物あるいはもろもろの事業も二重行政の解消という美名の下に買い漁る勢力が出てくるでしょう。市職員にいたっては人材派遣業やリクルート会社のターゲット。カジノ構想にいたっては相当ブラックな会社までバックについていたのかもしれません。


tanbo1505cそうした新利権の担い手たちの資金量の大きさは、投票前にテレビや新聞が今にも大阪都が実現できるかのように報じていたことからも想像できます。そして、その過程で使われた巨額のお金、大阪都構想がコケた今となっては回収できません。このオトシマエはどうなるのか、他人事ながら心配です。

ちなみにネットで調べてみると、大阪芸大の純丘教授が都構想を巡るお金を問題にしていたのを発見。なかなか鋭いですね~。おまけに純丘さんの言い分は私より強烈で、「欲得まみれの連中に出してもらってしまったカネのツケは恐ろしい」とのこと。コワイなぁ。

そんなことを考えていると、あの一見爽やかな笑顔の裏にあった訳がだんだん見えてきました。要するに、負けたからお金のことはもう知らん、というケツまくりだったのではないか。

大阪都構想は負けた、スポンサーの皆様、皆さんに御提案したことはもう実現できません。金銭やもろもろの御支援、どうもありがとうございました。残念ですがもう諦めて下さい。・・・そんなところ。

維新の会の江田代表がすぐ辞任したのも、辞めるからお金の話は勘弁してね、新代表には引き継ぎませんよ等ということではなかったのか。

コケた政治家にはその派手さに応じて表社会の司法や裏社会のややこしい勢力からの反撃もまた大きい。私は過去例からそう考えています。橋下市長は幕引きをしたつもりでも、お金をめぐるゴタゴタはまだまだ終わりそうにありませんな。