オフグリッドへ向けて

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ずっと懸案だった電気のオフグリッド化。やっと具体化へ向けて検討開始。考えているのは蓄電池の導入です。これもまた、お金が「木の葉」になる前に何か有意義なものに使っていこう、と夫婦で考えたことの1つ。

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普通、私たちは電力会社の電気を買って家庭用に供します。たとえソーラー発電(太陽光発電)を行って電気を作る場合でも、日射のない時間帯には商用電気を買わないと生活できません。こういった電力会社の電線・電力網(グリッド)と繋がっている状態がオングリッド。

オフグリッドというのは、その繋がりをオフにする、つまり使う電気を商用電力網(グリッド)から切り離すということです。拙宅でソーラー発電を採用した動機は原発電力をできるだけ使いたくないからでしたが、行き着く先は商用電力から電気を買わないというスタイルだと考えていました。

elly15そのためには自宅で電気を作り出さなければなりません。自宅を建てた17年前に考えたのは、いずれ家庭用燃料電池が出てくる、そうしたらソーラー発電で水素を作り出し、その水素を燃料電池に送って発電を行おう、余剰分は蓄電池に貯えれば商用電力から独立できる、というようなことでした。当時はオフグリッドという用語も知りませんでした(聞いたこともなかった)。

この17年、家庭用燃料電池はたしかに登場しました。でも、家庭用の水素製造器はまだ。また、家庭用燃料電池の燃料は都市ガスを使うので燃料コストが高く、かつ余剰分を電力会社へ売るのも制度的に厄介なため、拙宅ではいまだに導入していません。

一方、蓄電池も大きく進化しました。現在ではリチウムを使ったものが出回り、自動車にも使われるので価格が下がってきました。以前の鉛タイプは寿命が高々2~3年で廃棄物問題に難があるため、私は採用したくありませんでしたが、リチウムタイプなら寿命は10年以上で再利用可能ですから話は別です(注)。

そこで、今回ソーラー発電と蓄電池でオフグリッドにできないかと考えてみたところ、

拙宅のソーラー発電は1日平均10kWhくらいの発電(発電能力は3.6kW)
昼間は2~3kWh消費し、余剰電力は売却(これはソーラー発電で対応)
夜間は5~7kWh消費(これは買電)
(上記は平均的な数字であって、曇天雨天などの時にはソーラー発電は少)

大雑把にみると、昼間の余剰分を蓄電池に貯えることができれば、夜間の電力として使えそうな雰囲気です。私たち夫婦にとって、お金が木の葉になる前の使い道としてはなかなか有効です。ワクワクしてきました。

flwr1501もちろん、商用電力からの完全縁切りは私の望むところではありません。近隣のグリッドは地域の財産ですから、こちらに余剰があるなら近隣の電力として活用できるし、こちらが足りない時にはグリッドから回して欲しいから。でも、すべての家がオフグリッド化できれば、商用電力の高い料金や原発みたいな化け物から縁切りできるはずで、将来的にはそうなってほしいものです。そのためにも誰かが先行して実運用し、ノウハウを貯えることが未来への布石になる、そう考えています。

先日も書いたように、今後電気料金はどんどん騰がっていきそうです。17年前の電気料金に比べると、約2~3割アップですが(基本料金込み)、まだ値上げは続いていくでしょう。エネルギー資源をめぐる世界情勢は複雑で厄介だし、いくら原油・天然ガス価格が下がっても円安で相殺され、日本破綻なんて起こって欲しくない事態に陥るとさらに超円安で暴騰するかもしれません。

今後、拙宅のオフグリッド計画について話の進展に応じて順次紹介していきます。

(注)いくら価格が下がってきたからといっても、現在の電気料金では蓄電池はモトがとれるような代物ではありません。でも、こちらの狙うオフグリッド化はお金の問題ではないのです(これはまた)。