バンクホリデー

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銀行の休日(バンクホリデー)と書けば長閑ですが、これは預金封鎖のこと。預貯金の引き出しをさせないように銀行を閉めてしまうからお休みなわけ。そんなバカな!、国がそんなことするはずない、なんて思う人もいるかもしれませんが、日本でも過去にあったことなのです。

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maron1501日本のバンクホリデーは1946年2月17日。敗戦で国の借金が膨大に膨らみ、物資も不足し物価は急上昇。現金の引き出しが集中して市中にはお金がジャブジャブ、一気にインフレが進んでいった頃の話です。

当時の幣原内閣は2月16日に金融緊急措置令を出し、翌日預金封鎖を実施。その後、一世帯の引出しを500円に制限する一方で、財産法を定めて国民の資産を差し押さえ、続いて翌3月には新円発行を行い、それまでの円や国債などを紙屑のように無価値にしてしまいました。インフレを抑えるためという大義名分の下、国は国債などの債務を消し去って政府の負債をチャラにしてしまったのです。


snow1501でも、いろんな人にこの話を尋ねても、69年前の話のためか、記憶がはっきりしない人が多いのです。お金や資産とあまり縁がなければ覚えていなくても当たり前かもしれませんが、お金持ちや相場師の自伝の中には当時呻吟した様や苦労した話がいろいろ出てきます。こんな忌まわしい過去は、忘れ去ることなく、事実としてしっかり記憶しておく必要があるのではないでしょうか。

一国の金融政策はある日突然変わります。ニクソンの金本位制撤回、ドル円の変動相場制への移行、プラザ合意、頻回なロシア国債のデフォルト、そして先のスイスフラン・・・、いつか起こるだろうなぁと思っていてもそれがいつなのかは前もってわかりません。おまけにブラックスワン(想定外)もあります。


light1411日本の負債が世界に例を見ないほど膨らんできても、まだまだこの国は保つかもしれないと油断していた私でしたが、流石に現政権と日銀のやり口をみて恐怖感が膨らんできました。金融機関などが近々の金利上昇を警戒し、既存の国債を日銀に売り払っているのに、今でも国債を買おうという人がいるのは私にはアンビリーバブル。そして、アベノミクスを歓迎する人のあまりの多さに呆れ、大きく落胆しています。

ラスベガスの格言に「ゲームが始まって誰がカモなのかわからなければ、あなたがカモだ」というのがあります。バンクホリデーなんて起こるはずがないと今でも思っているなら、あなたはカモですよ。