SIMフリー その5

Mac/Web/WP/Mobile

140424nanoha日本以外の国では原則SIMフリー。とくにヨーロッパのネット環境を取り巻く事情はどんどん変化してきました。数ヶ月もたつと話が全く違います(苦笑)。

今回はSIMフリー番外編で、ユーローミングについて。遅まきながら今年の旅行準備で知ったのですが、ユーロ圏の経済的統一や地理的条件を考慮すれば、必然的な動きでしょう。

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ローミングというのは、ウィキによると、「事業者間の提携により、利用者が契約しているサービス事業者のサービスエリア外であっても、提携先の事業者のエリア内にあれば、元の事業者と同様のサービスを利用できること」です。

ユーローミングとはEuroaming、つまりユーロ+ローミングの合成語。ユーロ圏各国のネット環境を個々で規制するのとは別に、全体として相互運用していこうという話。名前がそのまま体を示す、うまい命名ですね。

欧州委員会の提言を追ってみると、2007年以来、電話、SMS及びデータ通信の小売価格を低減させ、とくにデータローミングは91%削減、つまりほぼ10分の1の料金となりました。その結果、ローミング市場は6.3倍!とのこと。素晴らしい!


The EU has achieved retail price reductions across calls, SMS and data of over 80% since 2007;
Data roaming is now up to 91% cheaper compared to 2007;
Since 2007, the volume of the data roaming market has grown by 630%;
Visitors to Croatia will enjoy spectacular savings this year, as the cost for data is almost 15 times cheaper than before.
…(EC digital-agenda / Roaming Going abroad? EU rules keep down the cost of using your mobile phone and smart device.)

日本の通信会社の国際ローミングなんか使ったら、1週間の旅行で10万円20万円いやそれ以上というオソロシイ世界なのですが、ヨーロッパの通信会社ではそうじゃないらしい。実は今秋の旅行計画を練っていたら、ある国のSIMで別の国のローミングを使っても値段がそんなにベラボウにならないことに気付きました。さらに調べてみると、このユーローミングに行き着いた次第。

地理的国境がなくなったEU圏。人やモノの行き来が自由になったのだから、通信環境も便利なものに発展させていこうというわけですが、ここ数年の状況変化は著しく、数ヶ月でウラシマタロウ状態になるはずですわ、ホンマ。

あなたがヨーロッパに出かけるとしましょう。以前なら、行く国それぞれでSIMを手に入れ、個々の通信プランを契約しなければならなかったのです。でも現在は、ある国でSIMを入手した後はユーローミングで対処するというのも選択肢になったのです。ただ、どの国のどの通信会社を選ぶかで微妙に(場合によってはかなり)料金が異なるので、そこら辺は個々人でチェックして下さい。(注)

ヨーロッパのネット環境はどんどん進化しています。世界からみて日本の携帯機器は陳腐化しているとも云えますが、法制も陳腐化しているのではないか。日本のSIMロック機器を使う限り、かの地の進歩にはタッチすることもできません。そういう意味でも、ヨーロッパに行くならSIMフリー機器がおすすめ。そっちの方がよっぽど面白いから。

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(注)フランスのOrangeとSFRを較べてみると、データ量の上限が少し違っていて、そのままでは比較しにくくなっています。ドイツテレコムのユーローミングも面白いけど、行く先々の提携キャリアの通信事情がどうかという点も考慮すると一概な判断は難しい(難しいとは、つまり面白いということ)。制度が良くても通信キャリアの品質とは別問題だということを記憶しておくべきかも。