イーゴス解体

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びわ湖タワーに設置されていたイーゴス108。1992年の建設当時は世界一の高さを誇った巨大観覧車です。最近嫁ぎ先が決まり、解体作業が進行中。

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びわ湖タワーは京都大津から日本海に抜けるR161号線の中途にありました。通りすがりのドライバーや観光客の休憩場所でもあったこともあり、それなりにお客さんが足を止める場所だったのです。

イーゴスができたのは1992年。今でこそバブル崩壊は1990年頃とされていますが、またすぐ株価は戻ってくると庶民は感じていた、そんな時代でした。イーゴスができた当初は乗りたい人が殺到し、1時間以上も客待ちができてしまい、当初は1つのゴンドラに複数のカップルを乗せ込んでいたとか。

ehgos2私が乗ったのはその数年後。1時間という待ち時間ではありませんでしたが、まだまだ人気はありましたね〜。その後、時代の変化とともにびわ湖タワーの人気が衰え客足が減ってきたこともあり遊園地は閉園。イーゴスも閉鎖となりました。現在はスーパーのイズミヤとヤマダ電機になっています。

イーゴスは閉園後も売却先を探していたとかで、時々動かしたり、最低限のさび止め塗装をしたりで老朽化を抑えてきました。それがやっと今夏次の設置場所が決まり、解体作業に着手したというわけ。

次の行き先はベトナム。そこでまた観覧車として活躍するそうです。所有企業の社長さんは新しい嫁ぎ先が見つかって良かった、とのコメントを出しておられましたが、要するに引越。それはそれでめでたいこと。

それにしても、
解体中のイーゴスはあまりにも淡々としていて、当時の賑やかさとは全く別物でした。でっかいクレーンが動き、ゴンドラをはずし支柱を取り外していくのですが、そこに華やかさはありません。かといって、単なる寂寥感とは違う、何とも言い難い雰囲気。解体という作業はそういうものなのでしょう。

そこに在ったモノが消えていく、無に帰していくプロセスのたよりなさ。ひょっとしたら、これが死のイメージなのかもね〜〜と思った次第。
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