水道使用量減で料金値上げ その2

Water

先日の朝日新聞での報道がインパクトがあったのか、私の処へ詳しい説明を求めるメディアや関連会社が数件。そこで少し気になることがありました。あるインタビューアの方の質問に、

 水道水を使わなくなったのは私たち消費者なのだから、
 それが理由の料金値上げは仕方ないのではないか? 

びっくりしました。これはいただけません。…

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一人一人の使用量が少なくなったので料金を上げさせてもらいますという理由そのものが恥ずかしい。今までこんな値上げ理由を公然という水道事業体があったのかどうかも記憶にありませんが、この値上げを消費者責任だと受け取る人がいるのでしょうか。そうだとしたら、神奈川県の理由説明は「成功」したというべきでしょうが、それにしてもエグイ。水を大切に使おう、節水しようと思い、いろいろな努力し、そのための器具を購入してきた。私たち消費者は自分の懐をわざわざ痛めるために水を大切にしようと思っていたわけではありませんが、その結果として料金値上げとは消費者も関連企業も納得ができません。

先のインタビューのような質問に対し、どうしたらわかってもらえるのか。次のような例を持ち出しました。

 レストランに食事に出かけたところ、先月はお客さんが少なかったので
 今月はお値段を2割増しにしました。悪しからずご了承下さい・・・

 等と云われたら、どうしますか?

イヤですよね?そんなレストランには2度と行きたくありません。とりあえず注文の品数を減らすとか、より安価なメニューにするとか支払いが高くならないようにするでしょう。お客自身が悪いから値上げはやむなしと思う人はいないはず。

この料金値上げは消費者の責任なのでしょうか。いえいえ違います。そのレストランの値段が高い・味が悪い、あるいは雰囲気がよくないとか別の理由なのかもしれません。いずれにしても、お店側が原材料の仕入れ先を変えたり、人件費を抑えたり、いろいろな経営努力を行なうのが当たり前。それでも値上げしないとお店が成り立たないのならば、そういう店を選ぶかどうか、後はお客の判断にまかされます。

神奈川県の水道料金値上げも同じこと。おそらく行政側もそれなりの努力は行ったと説明するでしょう。でも、一般社会の常識と役所のそれとはかけ離れています。実際のところ、過大なダム建設の責任は誰かが取ったのでしょうか。人件費の切りつめはどこまで行ったのでしょうか。宮ヶ瀬ダムの反対運動があり、そこで指摘されてきた現実が起こったのですから、今日の事態は予想できなかったとは絶対に云わせませんよ(きっぱり)。

客は代替水道サービスの選択権がない、つまり客は逃げることができないからという理由で、値上げしても大丈夫だと思ってはいないでしょうか。そうだとしたら、それは思い上がりで無責任。水道事業者の当事者責任を不問にし、コトもあろうか、消費者に責任転嫁するような値上げは悪質だと云わざるを得ません。

さて、こんなアコギな水道行政に対して消費者にできることは何か?

・値上げに反対だとの意思表示を個人個人で行うこと。文書でもメールでも電話でも何でもいい。水道当局にクレームして下さい。そうでないと値上げには苦情がないという誤解を行政側に与えます。

・愚かな理由による値上げを了承した議会議員には次回の選挙では決して投票しないこと。行政のツケ払いを消費者に転嫁するような施策に賛同する議員は要りません。

・さらに水の使用量を減らし、雨水利用なども積極的に取り組み、支払い金額の絶対値を減らしましょう。そうすれば、水道事業会計はさらに破綻に追い込まれ、消費者の立場をはじめて理解できるでしょう。そうした、どんづまりの危機的状況に追い込まれないと水道行政は変わらないのかも。

とにもかくにも黙っているだけでは現状よりも悪くなるだけですね。

(29日第一稿)