思わず唖然の、味の素

.EcoStyle

20数年前に味の素症候群が話題になり、米国で被害者が訴訟を起こすとかなんとかという話があったせいか、味の素の露骨なコマーシャルはTVから消え去ったものと思っていました。が、あにはからんや。数日前、何かの拍子でTVをスイッチオンすると天海ユウキさんの顔と子どもの料理教室。見入っていると、そのコマーシャルだか番組だか曖昧なCMで堂々と味の素をふりかけるチャーハンを紹介していました。唖然です。…


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味の素の問題については私が語るまでもありません。先日紹介した安部さんの本でもしっかり悪影響が紹介されていましたし、一昔前には「味の素症候群」という厄介な病気までメディアを賑わせたことがありました。それがいつのまにか、堂々とTVでパラパラふりかけるシーンが出ているとは!

40年ほど前の「暮らしの手帖」誌の料理レシピには味の素を最後にひとふり、というのが定番でした。その後どう反省したのか自己批判されたのか知りませんが、「暮らしの手帖」以下料理雑誌などで味の素を取り上げることはなくなっていた、はずです。問題がある、あるいは危険性が非常に疑わしくなったからです。

ところが、卓上ビンはなくなっても、ミソや醤油その他の食品にしっかり入ることで売り上げを伸ばしてきたのが味の素。日本酒の中にもしっかり入っていますので、大手酒造メーカーの旨味は味の素によるもの。ラーメン屋や中華料理店にいたっては味の素で味を調えるというのが通例なのか、食べた後の感じが妙にだるい。私がラーメン屋さんを嫌いになったのはまさに味の素のせいです。

味の素など使わなくても旨味は簡単に作れます。昆布やカツオをしっかり使えばいい。その手間を惜しんで何の料理なのでしょう? どうしても粉末の味が使いたいなら、味の素ではなく天然の昆布粉末やカツオ粉末も販売されているので、それを使えばいいだけです。

手軽さゆえか、それとも警戒心の無さか、また味の素にまた舞台を与えてしまっているようです。ひとつはインスタント食品の隆盛。あるいは昨今のアミノ酸ブームがあるのかも。なぜ味の素を使うのか、使う必要があるのか、そのことを考慮せずに安易に使っていると、その先にあるのは化学合成の人工食品いっぱいの未来ではないでしょうか。

私がみたTV番組の料理教室の先生は奥ゆかしくも、子どもたちに料理の仕方を学んでほしい、本当の味を知ってほしいとのことでしたが、一方で味の素パラパラが堂々と出ているのでは、もう滅茶苦茶としかいいようがありません。

がっかり。