やっちまったよ 一戸建て!!
2005/03/03
本の最初に注意書きがあり、「・家を建てる人・私の他のマンガをよんだことのない人は、この本を参考にして家をけっして建ててはいけません」とありました。でも、この本は家づくりのヒント満載です。…
パタリロとくれよんしんちゃんを合体したような絵づくり。そこで展開される自宅づくりの顛末。ところどころで、思わず声を出して笑ってしまいますが、家づくりで苦労した人には納得のいく「笑い」でしょう。
戸建て家づくりのハードルはいろいろあります。どこに建てるか、どんな家にするのか、誰に依頼するのか、そしてお金はどう工面するのか等々。それらと真剣に向き合うのをおろそかにすると、自分の望む家はとてもできません。そのことの大切さを、作者自身の経験をマンガ化することで見事に証明しています。とくに建築家とのつきあいに関する記述は、下手な建築ガイドブックよりも秀逸でわかりやすい。
第一巻の帯は、三十路、バツイチ独身、社会的信用ゼロ、それでも理佐は家を建てる!!。第二巻は、保安万全、でもトイレは吹き抜け。完成なるか!?一人用一軒家!!。吹き抜けトイレは、笑いをとるためのマンガ家の面目躍如なのかもしれません(私は賛同できませんが)。
傑作です。タイトルの「やっちまったよ」に本の内容が凝縮されていますが、それは読んだ人のお楽しみ。既に家建てを「やっちまった人」にはあまり参考にはならないかもしれませんが、これからの人にはきっと参考になる所があるはずです。