見える範囲にご用心

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被写界深度(Depth of field)とは、写真を撮る時にピントの合っている距離のこと。絞りを開放付近にして被写体に近づくと、その距離は数センチから紙の厚さみたいなものになってきます。ちなみに焦点距離が50mmのレンズなら70cmの距離で絞り2なら3センチ弱。それ以外の距離にあるモノはボケてきますが、それを表現とするかどうかは写し手の考え次第。ということで見つけた被写体は・・・。

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昨日散歩していたら、農家の畑にネットが残っていました。この寒さに胡瓜もないでしょうから、夏の名残かもしれません。ああ、これなら狭い範囲にぴったりピントを合わせることができます。その代わり、遠景はボケボケ。(クリックすれば大きなサイズが出てきます)

私たちは毎日いろんなものを見ていますが、はたしてその実体をきちんと把握できているのでしょうか。見える範囲がきわめて狭ければ、それからはずれる部分はぼやけてしまいます。焦点を合わせ目的を捉えるのは大切なことですが、抜け落ちた情報は何か、見えていないことにも気を配っておかねばならないのではないか。そんなことを考えることってありません? 私なんか、焦点のはずれた処ばかり注視してきたような感じがしますけどね(苦笑)。被写界深度にご用心ってことですわ、はい。