原発再開? とんでもない!

.opinion 3.11

菅総理や海江田経産相が、定期点検で停止している原発の運転再開を要請したというニュースを聞きました。とんでもない話です。

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「安全です」と国がお墨付きを出していた福島第一原発で、最悪レベルの原発事故が起こり、放射能汚染が今も続いています。一方で現在、定期点検等で停止中の原子力発電所はいくつもあります。夏の電力需要を言い訳として、定期点検後の原発は運転再開したい、というのが、菅総理、海江田経済産業相からの要請とのこと。でも、これは危険な要請です。

私は、電気需要の計画的分散を行えば、原発がなくても需要は満たせると考えていますが、それは横に置きましょう。それよりも何よりも、地震国日本でレベル7という最悪の原発事故を起こし、事態収拾の目途も立たず、大気や海水への放射能汚染を続けている原発があるのに、他の原発の運転再開など、とんでもはっぷん。今まで「安全な原発です」と国や原子力安全委員会がお墨付きを出していた福島第一原発で、6基中4基が大事故を起こしている現実をきっちり見据えてほしい。

まず国は、「今までの安全基準が根本的に間違っていました」ということを明確に認めること。そして福島の方々や国民に対して謝罪しなければなりません。その上で、現行の避難区域以外にも被曝が深刻な地域があることを見据え、そこに住む住民の方々の避難計画と生活再建策を早急に実行する、これが火急の課題です。だから、原発再開などしている暇はありません。

次に各電力会社。危険な原発を再開するという暴挙は止め、その分浮くはずの人員を東京電力に出向させて、福島第一原発以外の業務を担って下さい。東京電力には火力発電・水力発電・送電管理・集金業務など、原発以外の業務が沢山あるはずですから、それを各電力会社のプロが肩代わりして下さい。

そして、東京電力は下請け作業員達に危険な作業を押しつけないで、役員・正社員を福島第一原発に集中させて事態の対処に当たるべきです。まずは事故を起こした福島第一原発を安全に冷やすこと。その事故対処にメドが立ったら、東電の業務全体を大幅に見直し、送発電分離を行い、売れる資産は全て売って賠償金とすることが、東電にできるせめてもの償いではないでしょうか。

とにかく、国も各電力会社も原発の運転再開は止めて下さい! 今やらなければならないことに集中して下さい!