ブランド戦略の落日

.opinion

「ケリーやバーキン買いました、ではないところがマル」と書いていたら、その翌日バーキンの記事を読みました。まるで行動監視されているような気分になりましたが、まぁ偶然偶然(笑)。
そのバーキン、記事によると最近は中古市場にたくさん出回っているそうな。日本では百貨店などの正規代理店に注文しても手に入らないというのになぜ。そうなると稀少品たるブランド価値はだんだん毀損していくはずですが、バーキンも既にオワコンなのでしょうか。

・・・

バーキンというのはエルメスのハンドバッグ。高級ハンドバッグといえばバーキンかケリー、というくらい有名ですが、どちらもエルメス。名前の由来やバッグの内容についてはエルメスサイトを参照してもらうとして、正規代理店に注文してもなかなか手に入らない(らしい)。らしいと書いたのは単なる噂という位の話です(悪しからず)。

お値段は日本では200万円、300万円クラス。エルメス価格で1万ドル前後のものが並行輸入品で2倍以上となっていても買いたい人がいるのは、ハリウッドセレブなどが使っている姿に憧れる人たちが多いせいでしょう。ハンドバッグには縁のない私からすれば、ドタバッグにそんなにお金かけてどうするの?ですけど、お金ある人が何買おうと自由は自由(笑)。

写真は雑誌courrierから

そのバーキン、買おうと注文しても正規ルートではなかなか手に入らない(らしい)。ロレックス同様で、超富裕層への特別ルートでもあるのか等々という都市伝説がありますが、当たらずとも遠からず。どこの誰が買ったのか知りませんが、マイアミの中古屋さんには毎日80コ近い最新のものが揃うとのこと。Courrierの記事によると品薄で注文しても買えないバッグが中古マーケットを賑わせていることを紹介しています。なんやそれ?

ブランドといえば、車ならポルシェやフェラーリ、バイクならハーレー、時計ならロレックスやパテック・フィリップス、カメラならライカやハッセル、・・・、いろんなものがあります。もちろん、他にもいろんな対抗メーカーがあり、品質的に劣るわけでもないのですが、歴史や実績、知名度の差でブランド価値の大きさが決まるのでしょう。

たしかに素材や原料そして性能はどれも最高級。でも内容と価格が比例しているわけではありません。むしろ、ブランド価値のプレミアムがついていると考えるのが普通。

それでも買い手がいるのは、お客さんの所有欲を擽るから。衒示的消費(ヴェブレンの造語、要するに見せびらかし)という動機付けもあるでしょう。その場合、稀少品という必要条件は欠かせません。だって、大量生産品にブランドプレミアムを払う者はいないから。

さて、エルメスのバーキンもそういうブランド戦略で高価格を維持していたはずですが、中古マーケットに山ほどあるなら稀少価値は減ってしまいます。その結果、価格はどうなるか。

先に「ケリーやバーキン買いました、ではないところがマル」と書いたのは、虚飾のバーキンよりもLEICAの方がまだ中身があるだけましという意味合いでした。まぁLEICAもブランドプレミアムしっかり付けているので要注意、念のため。

アマリリス、鉢を放置していたら今年は綺麗な花。ありがとう。