コルバン・ミショット

.Travel & Taste

漫画「神の雫」最新号に登場したのはコルバン ミショット。話の筋とは全く関係ありませんが、このサンテミリオンのワインには私にも思い出あり。26年前ワイン雑誌に載っていた大阪のレストランを訪ね、最初に飲んだのがこのコルバン ミショットでした。

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漫画に登場したシャトー・コルバン ミショットは1982年ですが、私が飲んだのは1972年、当時既に20年モノ。お店は大阪のミストラル。当時毎週のごとく京都高島屋のワインティスティングバーで美味しいワインを飲んでいたので、お料理とワインの合わせ方を知りたいと考え、関西のレストランをいろいろ物色していた頃でした。

当時梅田の太融寺付近にあったミストラルの、ソムリエ出身のシェフが薦めてくれたのがこのワインで、値段はメモによると八千円。まぁ当時は78のラターシュでも五万円以下で飲める時代なので何ですが(@シェ・ワダ)、今から考えると実にリーズナブルなお値段です。

このワイン、しっかり熟成していてなかなか美味しかった。漫画によると、サンテミリオンなのにポムロールの境界に畑があるおかげで「芳醇な果実味がある」とのセリフがついていましたが、連れ合いの感想も同様で、芳しいボルドらしさ一杯でした。

実は、この10年後の2002年。同じミストラルで、同じくコルバン ミショットを二人で飲みました。ただし、ミレジムは1996年。この時はまだ6年しか経っていなかったのですが、これまたかなり美味しく飲めたとメモに記録が残っています。

ちなみにこのワイン、R.パーカーの評点ではあまりたいした点ではなかった記憶がありますが、そんなことは美味しく飲んだ者からすればどうでもいい。そのパーカーさんも既にボルドー評価から引退した現在、今後は彼の好みで左右されることもなくなりました(著しく評価や値段が動いたワインもあり)。

最近は大阪になかなか出かける機会がなくなり足が遠のいてしまいましたが、ミストラルさんには美味しいワインをたくさん堪能させてもらいました。感謝しています。

この二回飲んだコルバン ミショットのことを考えていると、これはいわば、時間差の垂直試飲だなぁ、香りや味わいの記憶はまた飲めば甦るんだろうか、機会があれば是非飲みたいなぁ等と、漫画を読みながら思った次第です。