アホでマヌケな米国ハイテク企業
2005/02/16
サブタイトルは、「エクセレント・カンパニーを崩壊に導いた、トホホなマーケティング20年史」。
メリル・R・チャップマン著 星睦 訳
インプレス 2004/05/11
いつのまにか消え去った会社だけでなく、IBMなど大企業の失敗を含めて分析したもの。関係者は笑えない話でしょうが、今でも同じ轍を踏んでいる会社があるような気がしてなりません。
私の最初のCはBDS C。その次がボーランドのターボCでした。インテル系の8ビットマシンから16ビットマシンの頃で、開発言語が高額だった時代に100ドル以下で買えるのがウソのようで、出てからすぐに買ったような覚えがあります。
その当時、1987年〜89年あたりのことですが、データベースはDB III、ワープロはWordStarやWordPerfectが主流で、今標準となったかの感のあるWordのWindows版が出るまでは、いろんなメーカーがひしめきあう群雄割拠の時代。まだ日本語をパソコンで打つには少し問題がある頃の英語世界での話です。
その後、私は使いやすさやグラフィックスの優秀さに惹かれMacの世界に入ったので、ボーランドやアシュトンテイトがどうなったか全く知りませんでした。いつのまにか消え去ったことだけを風の噂で知る程度だったのですが、この本を読んで、その経緯がよくわかりました。愚かなことをやって自滅したり、大きくなった体を持て余した恐竜のような末路を辿ったんですねぇ(合掌)。
著者曰く、生き残るために必要なのは「アホをしないこと」。この指摘は当たっているかもしれませんが、バカなことをやる人に何かしら愛着を覚えるのもまた事実。
80年代からパソコンに関わってきた人にはとっても面白い内容です。そうでなくても、なぜパソコン業界の巨人たちが潰れてマイクロソフトだけが生き残ったのか、そのことを知ることができる貴重な本となっています。失敗学を学ぶことができるかも。