POWERWALL その2

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先週テスラのPOWERWALLを取り上げました。あれから2日間、この商品を2回雑誌で見かけました。4月末以来テクノ系ニュースなどでは話題になっていましたが、一般紙で見つけたのは少し驚き。注目している人多し、というところでしょうか。
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まず1つは週刊金曜日1040号(2015/5/22)、先週金曜に発売のもの。POWERWALLを取り上げていたのは、アンドリュー・デウィットさんの「経済私考」でした。

昨今話題になっていたエネルギーミックスに関し、原発や石炭火力などの集中型電力システムを死守する経産省や電力業界をゴリアテ、一方ソーラーなどの分散型エネルギーの担い手たちをダビデに喩えながら、その闘いが佳境に入っているとしつつ、テスラのバッテリーが紹介されていました(紹介は日本語が変で意味不明)。

zassi1505もう1つは週刊ダイヤモンド 2015 5/30号。連載のホリエモン的常識第37回の中で、大型バッテリーを発表したテスラの動きをどう分析するかという質問に対し、堀江貴文さん(ホリエモン)はバッテリーはEV(電気自動車)のキーデバイスであるとした上で、バッテリーのマネジメントに優れたテスラの技術を持ち上げていました。

ここでいうマネジメントとは私が書いたシステム化のことですが、リチウムイオン電池は扱い方を間違えると異常膨張したり(注)、最悪爆発したりすることがあるため、そうさせないシステムなりマネージ(取り扱い)が必要というわけ。それにしても、値段がどうのこうのと云う前にマネジメントの方を話題にしたのは流石ホリエモンですね。

念のために云っておけば、テスラのPOWERWALLが画期的なのは本体価格だけ、そう私は考えています。紹介サイトでは「10年保証の凄さ」などと書かれていましたが、日本のバッテリーでは以前から「10年保証」が当たり前ですから、凄くも何ともありません。

むしろ、問題なのは10年経過後のバッテリー性能はどうなるのか。ここが知りたいところ。スペック的には電気容量保持率はどの程度になるのか、ということです。日本のバッテリーメーカーではシャープが70%(約8000回の充放電)、東芝が90%(10,000回の充放電)、エリーパワーが80.1%(12000回の充放電)などと想定寿命を提示し、10年の出力保証を50%とか60%にしています。悪く考えれば、10年経つと能力半減というところでしょうか。現在のバッテリー技術は永遠ではないのです。

一方のテスラのバッテリーはどうなのか。こちらは電気容量保持率もわかりませんし、出力保証もなさそうです。米国の基準に従うとありますが、これではちょっと日本製品と比較しようにありません。値段だけに引き摺られてしまうと後でどうなることやら。まだまだ日本の技術の方が優位なような感じがします。

hizyo1505てなことを考えていたら、ちょうどSII(環境共生イニシアチブ)から家庭用バッテリー導入支援の補助金交付決定通知書が拙宅に届きました。拙宅で使うのはエリーパワーのPOWER iE6(6.2kWh)ですが、いよいよその設置も間近です。


(注)たとえば、ノートパソコンに入っているリチウムイオン電池は高温で異常膨張したり破裂する事件がときどき起こっています。私の昔のMacBookProも例外ではなく、エアコンなしの拙宅で夏季の熱対策を怠って異常膨張させてしまった経験あり。今はパソコン底部を机から浮かせた上に、夏季は強制ファンで温度を下げるようにしています。

(追記)アップ後ネットをうろうろしていると、テスラは2016年にネバダ州でパナソニックと共同でバッテリー工場を稼働させるそうな。だとすると、バッテリーは旧サンヨーの技術等を採用するわけですから性能は安心かも。