サーバーの変遷(ネットな自分史)

Mac/Web/WP/Mobile

141128c新しいレンタルサーバーと契約する前に一度今までの経緯を振り返ってみることにしました。昔の契約記録をひっくり返してみると、改めてネット環境の進化や関連制度の変化の激しさに感じ入ります。時代は変わりましたね〜。年寄り臭い感想ですが、ホンマに様変わりしました。長くなりますが、私自身のネット史は以下の通り。


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私がaritaドットコムを取得したのは1998年8月。実は二代目。最初に所有していた会社が何かの理由で手放したのを私が拾った次第です。まだまだパソコン通信のニフティが流行っていた頃でしたから、インターネットはホンマに発展するのだろうかと興隆に懐疑的だっため、ドットコム名の入手が遅れました。

今ドットコムで短い名前のものを手に入れようとするとなかなか難しいみたいですが、当時はまだ長閑。米国のインターニック(interNIC)という、ドメインネームサーバー(DNS)に名義申請し、ライセンスを承認してもらうという、今では考えられない面倒な手続きを必要としたのが懐かしい。

1997年前後といえば、日本のインターネットの黎明期。電話回線でネットに接続するため、どこのプロバイダー(ネット接続業者)に繋いだら速いのか等というのが話題になる位、速度がちょ〜遅かった頃のことです。アナログの電話では回線品質が悪いので、ISDN(NTTのデジタル回線)で使うというのがフリークたちの手段でしたが、それでもたいして速度が出るわけではありません。ADSLや光回線あるいはケーブルTV経由というのはまだまだ先の話。

ドメインを運用するにはサーバーが必要です。自宅にサーバーを置くというのもできない話ではありませんが、24時間365日のメンテまで実施するのは個人には現実的ではないので、サーバーを提供する会社が出てくるのは必然のこと。ということで、ネット関連事業でプロバイダーの次に登場したのはレンタルサーバー会社でした。

私が最初に契約したのはサイバーグルーヴという会社のレンタルサーバーで、1998年のことです(その後、サイバーグルーヴはソリッドネットワークスを経てネクソン傘下になり消滅)。当時の契約容量はGBの千分の1のMB単位。50MBとか100MBとかそんなもので、アニメやムービー等の動画や大画面の写真が稀であった時代のネットサイズというのはそんなものでした。

141128b世紀が変わり、米国でインターネットバブルが弾けて不況になるのとは逆に、2002年前後から日本ではネット環境の規制緩和が進み、接続もADSLや光回線が登場し、おまけに簡単にドメインが取得できたり安価なレンタルサーバーを提供する会社が現れてきました。ちょうどMobile type(MT)が登場してきたこともあり、blogタイプのサイト作りが始まった頃。私も2003年にMTを導入。この頃のデータベース(DB)はバークレーDBで言語はPerl。

2002年頃にサービス内容と価格のバランスを考慮し、サーバー会社を変更。自分用はM社を使い、当時関わっていた地元の産廃焼却場反対運動用にはネット接続業者のスペースを使ったり、新たなDNSを取得しlolipopで運用しました。

この頃になると、DBも様変わり。SQLデータベースのフリー版mySQLが登場したこともあり、静的なHTML方式よりもこのDBをPHP言語で動的にいじり回す方が有利だと気付いた業界は一気にPHP/mySQL設定に動きます。また、フリーのblogを提供するポータルサイトが増えてきたことでレンタルサーバー会社の成長は頭打ち。老舗のサーバー会社の中にはこの動きについてこれず続々と廃れていったのが2006年以降でしょうか。

私もPHP/mySQLを安価にフルで使いたかったので、2007年にサーバー会社をlolipopに統一しました。この時にMobile type(MT)形式を完全に止め、すべてwordpressに変更。

今でこそ多くの人に知られているwordpressは当時まだ新参者。Mobile type(MT)とかZoopとか、いろんなものが群雄割拠していましたが、wordpressを選んだ私の判断はマルでした。現在一番よく使われているCMSシステムといえば、やはりwordpressではないでしょうか。おかげでサイト運用は快適で楽に続けて来られました。

141128aでも、wordpressといえど中身はどんどん進化発展してきました。一方で、DBのバージョンやPHP対応の変化、セキュリティの強化等々で、数年前の作り込みのままではサポートなしor脆弱性へのアタック等という困った状況が出てきました。今のところ私も何とか対応できているのですが、今後を考えると疑問符がつきます。

そこで、セキュリティを高めるため新たにサーバーを契約した方が良いだろうと判断。また、そこで使うwordpressのテーマも全部自分で確認し(あるいは作り込み)、CSSも自分で作り直すことにしました。最近はレスポンシブと称し、PCでもスマホでもタブレットでも見ることができるような作り込みが標準になりつつあるので、古い頭にはなかなか厄介です。世はHTML5とCSS3ですから、60前の手習い的な部分もありますが、それもまた愉し。

ということで、8年振りにサーバーを変更し、いろいろレベルアップした環境で運用することにしました(予定)。2014年11月末時点での私のサーバー史です。

最後に1つ。なぜデータベース(DB)に拘るかというと、自分のデータ(書き物、写真など)を今後数十年、数百年…残すことを前提に考えているから、です。リアルなものを残すのが一番望ましいのかもしれませんが、それはおそらく前世紀までの考え方。コンピュータやネット環境の今後を思い浮かべるなら、電子的な、あるいはデジタル的な記録がごくごく一般的になるのを想定した方がベターです。そういう意味でDBのハンドルアプリとして、wordpressは私にとってはなかなか使い易く便利な手段です。